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二十年前のすし秀の見習いケンチャンは立派な親方になっていました。
2018年8月23日 木曜日 曇り 真夏日 その二

 お寿司屋さんは、ここ二十数年は主に秀さんのお店になっている。
この地に住むようになって三十数年、初めの頃は昔お世話になって<福寿司>さんとかにも通ったが
、錠二さんが亡くなってからは、近くの家の近くの中澤さんの<すし匠>さんにも何度かは行ってみたが、
結局<すし秀>だけになってしまった。

その食材と味の良さと美しさは、あの道場御大に“大観の絵のようだね”といわしめ御大も時々いらしている。
十一席の白木のカウンターは二十三年の時を経ても美しく、数年に一度塗り替える聚楽壁もきれいなのに、
この秋には二ヶ月をかけて大改装をすることになったよう。

先だって、“わたしたちその間はどうしましょう、、、”と何気なくきいたら、
“ケンジの処へいってやってくださいよ”と。
Kちゃんが最近気に入っていると聞いていたので、
善は急げで、さっそくに席をとっていただいてでかけてみた。

 ケンチャンこと岩瀬健治さんは、二十三年前の秀さんのお店の最初の頃から(その頃の言葉で子ぞっこで)
何年も修行をしていた可愛い若い衆だった。
幼い頃から鮨職人を志す人が多い中で、彼は二十歳を過ぎてから「鮨」に惹きつけられて
まずは秀さんの<すし秀>で修行を開始したのだ。
七年後には、西麻布<すし匠まさ>、青山<すし昴>という名だたるすし匠系の名店で腕を磨いた後に
2012年独立して店をだし、昨年春に今の路面店のお店を出すに至っている。

 八時半頃からのお席が可能ということで、ゆっくりでかけた。
ガラリと扉をあけられてびっくり!
楕円形の大きな白木の美しいカウンターは満席。
<匠>の技をどこからでも見られるよう設計されたようなカウンターは全部で九席。

“お久しぶりです〜〜〜。
<すし匠まさ>の時以来だから十数年ぶり。
一番右の角のお席をとってくれていたようで、店主ケンチャンの目の前でなんだかき恥ずかしい、、、。。

 他の皆さんは和気藹々とお酒を飲み語らっていて、カップルの方、三人ずれの方と
皆さんなんだかとってもイイ雰囲気!
 
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(ねた箱に埋め込まれているのは箱根細工。
けんちゃんは箱根の出身です。
左のお皿はお隣の方ので、私たちはまだ始まっていません、、、、)


 軽い突き出しのあとに、まず「かすご」、旨い! とツレアイ。
それからは、おつまみ系の肴と、にぎりが交互にだされて飽きさせない。
手元の小さなシャリ鉢が裏方から出されて次々に変わってくるのは、ネタにあわせて
米酢と赤酢を使い分けているということがすぐわかった。
随時おろすワサビの香りも練り加減もとても良い!煮切りもいい。


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 旬のシンコ、金目鯛、秋刀魚、本鮪、玉子、佐島の蛸、小鮎、鰯、車海老、
イクラご飯、馬糞うに、浅漬けザーサイ、水茄子、穴子焼き、エトセトラ、、、
蜆のスープ、デザートまであっというま二時間弱で、おそらく三十かん弱をいただいてただろうか。
最後に熱いほうじ茶をいただくのが好きなことも覚えていてくれて感激!


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(大間の鮪が見事! プレゼンも上手だ。)

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(めずらしい蛸のシラスをみせてくださった)


いつまでも昔の思い出があるので、気安くケンチャンケンチャンとよんでいたが、
もう彼は四十三歳になっていて、予約がとれない名店の親方になっているのだ。

“自分は覚えが悪くて、この歳になってしまって、、、”と、言い訳をしながら、
カウンター全員の話しに上手にのってお相手をしているのは、秀さんのワザ<技>を引き継いでいるのだろう。
握りとつまみを交互に出すスタイルの寿司の供しかたは、すし匠の中澤さんのそれ。
(中澤さんは一昨年から、ハワイに店と構えて日本を離れてしまったが)

“楽しい店にしたかったんです、、、。鮨を楽しんでもらって、ゆっくりと会話を楽しんでほしいとおもって、、、と、
昔のはずかしそうな笑顔がこぼれて、、、、私は思わず拍手!
お客様に威圧感を与えないこのさりげなさはとても素敵!

 ワインを飲みたくてお願いしたが、気にいったのがなかったので、久し振りに日本酒をいただいてしまった。
すし秀さんだけにしかない、郡山の銘酒「穏」があって、師弟の交友をかいまみて納得。

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(お土産の薔薇チラシの準備、、、、)

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(渡したもお願いしました)

 昨今は完全二部制のお店が多いそうだが、ここは時間がかぶっても大丈夫なようで、それもイイ!
そして値段もとてもリーズナブルで、銀座や青山だったら倍もするだろう。

着物姿の女将がいるが奥様ではない。
身内を女将にすると、家内のごたごたが絶対にでてしまって、お客様に不快な思いを与えてしまうことがあるから
それはしないというのは、最初に修行をした秀さんの教えだろう。

 丁稚で修行を初めて二十数年後のこの姿はなんともすばらしく嬉しく、
最後は手を握ってわたしは涙ぐんでしまった。

ケンチャン、おめでとう!ますますのご発展を!
今後とも老人になった私たちをよろしくお願いいたしますね、と
お店をあとにしたのです。

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by pretty-bacchus | 2018-08-23 23:59 | ☆Wine & Dineワイン&食事 | Trackback | Comments(1)
Commented by jetelrbwf at 2020-10-16 14:06 x
二十年前のすし秀の見習いケンチャンは立派な親方になっていました。 : 生きる歓び Plaisir de Vivre。人生はつらし、されど愉しく美しく
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