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相原正明写真展<STAR SNOW STEEL>を観る(遡って)
2018年7月11日 水曜日 晴れ 病院のあと写真展へ (遡って)

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 、、、、、ほんの数分だろうか、あるいは数十秒だったかもしれない、
目をつぶっていたその間に私は深い蒼の世界を旅していたようだ、、、、、、
田んぼのなかを走る列車に乗って遠くの山々を見つめながら、、、、、。


朝からミンミンゼミがけたたましく鳴いていた。
病院の検査の後に、銀座までタクシーをとばして富士フォトギャラリーで行われている
相原さんの写真展にかけつけた。

 検査で軽い麻酔をうっていたので、頭が呆然としていた。
相原さんにお会いするのは何度目かだったが、名刺交換をしたのは始めて。それなのに名刺が出てこない。
トートバックの中は薬でいっぱいだったし、緊張をすると鼻の下をこする癖がでたようで、
相原さんは不快な気持ちになったようで誠に申し訳ないことをしてしまった。

 エレベーターをおりると、ずっと奥まで見渡せる会場で、六十点にも及ぶそのほとんどは夜の鉄道写真だった

お若い頃の銀塩のモノクロ二十点は右部屋の壁にかけられていた)
原野を走る列車だけでなく、雪の駅舎のたった一人の駅長さんと、駅にやってきた列車と、
人の姿がなくなったその空間は、地方の駅の切ない一瞬一瞬の物語をを切り撮っていた。
遠くにアルプスを望む雪の草原の夜汽車、夜のサクラの
土手の奥に走る夜汽車の窓は華やかだった。
それぞれにストーリーがあった。
オーストリーとかの風景写真が多い相原さんのなかに見つけた新しい世界だった。

<相原正明>プロとしての姿勢と根性と、作品のなかに輝く優しさが好きな作家!
今、わたしが富士フィルムもデジカメを使っているのはひとえに彼の影響のような気がする。
写真展があるとかならずおじゃまして、ギャラリートークも大好き。

https://aiharap.exblog.jp
写真家・相原正明のつれづれフォトブログ
aiharap.exblog.jp

 相原正明氏は写真家としてオーストラリアで作品を撮り始めてから30年になるという。
写真を始める原点となった鉄道写真を初めてのテーマとした個展
「STAR SNOW STEEL ~夜が織りなす鉄路の世界~」が開催された。

彼の説明によると<昔のフィルム写真では感度が低く撮れなかった夜の世界を、
高感度デジタルカメラで撮影することで、銀河鉄道の世界のように、幻想的な冬の夜の鉄道を映し出した>
また、相原氏が写真家になる前に撮影した高校〜社会人時代の初期作品も合わせての展示だった。

現在と過去、銀塩フィルムとデジタル、カラーとモノクロ。
これらの対比でご自分の原点を振り返られたのだという。
あしかけ四十四年の写真家の歴史の一部がそこにあった。
作品は学生時代に撮ったモノクロ二十点を含めた1974年ごろから、今日までの足掛け四十四年間のものだという。


 五時半から始まるギャラリートークまで半時があって、
私は奥の部屋の小さなスツールに座ってうとうとしてしまったようだ。
不思議な世界だった。私は蒼の世界に浸って夜汽車にのっていたようだ。
<漆黒の闇>という言葉はあるが<漆藍の宵>のなかにいた。


 ギャラリートークは、
撮影の裏話や昔の旅の笑い話などを楽しげに語っていらした。
なにげない調和の組み写真も実は、綿密なロケハンが行われたこともわかった。
一枚一枚の写真はそれぞれの時代の<列車と駅と自然>の記録であるとともに、
観る人を郷愁のかなたへいざなってくれている。。

写真の説明の中にはプロとしての凄まじさと覚悟、そして根底に貫かれている真面目さが素晴らしい!
 今後のご活躍がたのしみな写真家だ!
今は大阪での展覧会のよう。


 (エントランスには大型テレビジョンでの作品上映がなされていて、新しい一つの写真展の形なのかもしれない)
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(エントランス右側には何十年も前の銀塩時代のモノクロ写真が二十数点あって、どれもすばらしかった)

(奥の部屋の椅子に長いこと座って、私は蒼い夜汽車の鉄道の旅にでていた、、、、)
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(相原さんの著書を広げて、、、)
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(以下の二作品、相原さんのブログから拝借)
相原正明写真展<STAR SNOW STEEL>を観る(遡って)_a0031363_17363223.jpg


写真家・相原正明のつれづれフォトブログ
aiharap.exblog.jp
https://aiharap.exblog.jp/29881436/
夜鉄  STAR SNOW STEEL 写真展より

夜の鉄道は、風景撮影の賜物。昼間風景撮影のロケハンの時に、レールが見えると
「あっ、ここもいいかもしれないと」マーキングしていました。
そして風景作品の撮影は夜は比較的少ないので、そんな時間を狙って撮っています

最初は趣味的に撮っていましたが、ある時から写真展をしてみよう、
自分のオーストラリア 撮影30周年の節目に原点回帰の写真展をしようと考えました。
それからは風景や他の作品と同じように、写真展に展示した時の起承転結を考えて撮影することにして、
超本気モードになりました。鉄道写真作品ときちんと向き合う事、
全力を尽くすことがこれからの作品創りに大いなる、カンフル剤になると思います

相原さんのブログから

写真展をしようと心に誓ってから、4年間でストーリーを完成させました。
出来上がったので今年の2月です。その間に発売されたNikon D5やFUJIFILM X-T2&H1は
作品創りに大きな力となりました

でもここで間違えないでいただきたいのが、作品が出来てから展示の起承転結、
ストーリーやレイアウトを考えるのではないという事。
写真展を開催しようと思った時点から、単体撮影ではなくストーリーとコンセプトにもとずいた撮影に
切り替えている点です。夜鉄(相原語です 爆)は最初は趣味で撮っていました。でもある点数がたまった時に、
富士フイルム主催の鉄道写真展に応募して(もちろん一般公募でしたので、出展料を払って飾っていただきました)
手ごたえを感じたので、その時点で個展をしようと決断しました。

ただその時点でオープニングカットは撮れていたので、全体の流れと、
最後のエンディングカットをどうするか、考えてそのストーリーと絵コンテにもとずいて撮影しました。
ただ良い写真がたくさん撮れたから、それを集めて写真展では素人です。
やはりお客様が自分の時間とお金と足を使い見に来ていただくので、見に来てよかったと思わせるものを、
たとえ趣味の分野の作品でも手を抜かずに撮り作り上げることです。
アリを倒すのにも全力を注ぎこむのが、僕の信条です。

https://aiharap.exblog.jp/29912052/
至福の時 写真展前夜

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ただいま、写真展のレイアウト等を思案中です。大変ですが一番楽しい時間です。
撮影時に大まかな流れは出来上がっていますが、会場の壁の切り替えしとか考え、最後の微調整です。
最近プロでも写真展の際の作品セレクションやレイアウトをデザイナーに頼む人がいます。少し悲しいです。
意見を聞くことは大事ですが、撮影時に、起承転結のストーリーや展示した場合のビジュアルイメージをなしで
撮影しているという事になります。とても危険なことであり無駄の多い撮影になります。

つまり映画を撮るのに、脚本なしで映画を撮る。美男美女の俳優さん、
あるいは演技力のある俳優さん女優さんをただ2時間見せればお客は喜ぶと思い映画を撮るのと同じです。
メインカット、サブカット、捨てカット(息抜きになるカット) 最初のきめのカット、
最後の〆のカット、これを絵コンテを描いて撮らないと写真展ではなく、
写真展示会あるいは作品見本市になってしまいます。写真展とは撮り手の、明確なコンセプト、
哲学、ストーリーがあってこそ写真展です。ただいいのが撮れたから並べるでは、
ロの作品展ではなくなります。
今回は自分の趣味の写真展ですが、全力でオーストラリアの作品展と同等の気持ちとエネルギーで向かいます。
ワールドカップと同じです。常に全力で立ち向かわないと、ほころびが出て崩壊します。
ぜひ来月のSTAR SNOE STEEL写真展 お楽しみにしてください。






by pretty-bacchus | 2018-07-24 23:58 | ○Art&美術,詩歌,展覧会,お稽古 | Trackback | Comments(0)
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