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2001年のコンタックスクラブのDO94
2005.09.19

 人生の秋を迎えて、少し古い書類を整理していたら、2001年のコンタックスクラブのDO94に載った私の写真のファイルがでてきた。
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鬼沢さん、
昨日は遅くにおじゃまをして申し訳ありませんでした。
写真もポジも、中途半端で、ごめんなさい。

短くした原稿をお送りいたします。
こんなところでいかがでしょうか??
文字を小さくして、入れて下さいね。

ポジは一両日中にお送りいたします。
よろしくお願いいたします。
取り急ぎ

ps。入校まえに、一度、メールをいただけたら、幸いです。
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「旅」は突然にやってくることが多い。 パスポートには二百数十回の出国のスタンプが残り、
我が三十数年間の旅の記録を日々更新している。『いざ鎌倉』の旅の支度の三種の神器は、
旅券とカードとカメラ。手持ちのカメラバックの中身は数年ごとにその形を変え、
それはコンタックスの発売の歴史を反映しているのかもしれない。九十年代後半までは、
STに☆21ミリ、AXには☆35−135ヴァリオゾナー、TX1VSかG2をスナップ用に。
交換レンズは☆50ミリ14.☆80− 200,☆b100−300ヴァリオゾナー等。
RXはスーツケースの中で静かに緊急の場合の出番を待つ。

 写真は趣味であってプロではない。本来の仕事の慌ただしいスケジュールの間に、
突然カメラウーマンに変身。スカーフを首に巻き(首を守るため)その上にAXとG2をかける。
STを座席の脇におく。「今日の朝日は今朝のこの一瞬の輝き。この子の笑顔はこの一時に交わした
心の交流の合間だけ!」素人が無手勝流で光を追い、その瞬間を斬る。仕上がりは神のみぞ知る。

 16ミリホロゴンが出てからは、旅にはホロゴ ン付きG1が加わった。小さなG1にホロゴンはぴったり。
ディストーションの小さいツァイスのホロゴンが造り出すパースペクティヴの妙。その空気感と心象の世界。
これはと思った形や陰を少しデフォルメさせて、ワタシの気持ちと臨場感を,その瞬間に切り取られた「絵」に
混入できる。その悦びは何物にも代え難い。  

 旅の形は世紀末に急変した。歳をとるにつれ重い機材が身にしみてきていた。万を期してのN1の登場。
作年末の中国は、N1に☆24−80のヴァリオゾナーと、G1にホロゴンの二台のみ。(70-300VSは未だ
手に入っていないのです!)中国大陸の空気と歴史の重みを、ホロゴンは見事に表現してくれた。
腕以上に撮り手の心を移譲してくれるレンズ。それが我が愛機コンタックス&ツァイスの妙味である。
何十年もの機種遍歴を経てコンタックスに巡り会えた幸せに、いつも心からの感謝をこめてシャッターを
押している。

(写真は昆明の同通寺にて。晩秋の落陽に輝く屋根上の草にレンズを向けたら、ふらりと素敵な女性が現れた。
視線は思わず右上から左へ流れて、、、)

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写真略歴

初めてのカメラは四年生の時の昔々の二眼レフ。
カメラ遍歴の後90年からコンタックスに。
65年に巴里の写真が認められ西銀座デパートの壁を飾る。
70年代エールフランス航空の駐在員として4年間の滞仏の間に
フランスを撮る。日経ムックで、幻のイタリアワインの造り手
エドアルド・ヴァレンティーニ取材。フォト・エッセイスト
としてデビュー。AFの機内誌BON VOYAGE、朝日新聞事業部の
旅の雑誌等で、ワインと旅の愉しさ、生きる悦びを語る。
東京書籍「フランスの発見の旅・西編」の三地方の写真を担当。
本業は貿易会社副社長。
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2001年のコンタックスクラブのDO94_a0031363_2134738.jpg

by pretty-bacchus | 2005-09-19 01:27 | ◎Records過去の記事書いた雑誌 | Trackback(1) | Comments(0)
Tracked from Online presc.. at 2019-04-22 20:16
タイトル : pharmacie
2001年のコンタックスクラブのDO94 : 生きる歓び Plaisir de Vivre。人生はつらし、されど愉しく美しく... more
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