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<アルスシムラ>の織りの最後の週でした
2013年7月18日 木曜日 晴 

 昨日より更に暑い一日が始まった。
アルスシムラの補習。でも今日は時間が自由なので、お昼を友人として午後にゆっくりと出かけた。

<アルスシムラ>の織りの最後の週でした_a0031363_1953816.jpg

 本科の皆さんはお染めをしたり織ったりしてらっしゃり、水曜日組のお仲間数人の他に
今日は土曜日の予科の方もいらしていて、いよいよ授業の最後が迫っているんだなって感じ。

 昨日の続きを四十二センチから始めた。予定の色デザインは一応織り布右にまち針したが、
もうそれは大体の色の感じでしかない。
手元に残った糸を、五光で小管に巻いて樋にしかける。
メインの桜とカラスノエンドウと白と、光の色のくちなしと、それから蘇芳のうちで
一番清んだ色を五本の樋に。あとはお仲間が貸して下さっている樋に変えたい色を時々換えて織ることに。
ツートントン、ツートントン、、、。

<アルスシムラ>の織りの最後の週でした_a0031363_19555315.jpg
 (pm14:43 五枚目43cmから)

<アルスシムラ>の織りの最後の週でした_a0031363_19593630.jpg (小管がセットされたこの樋達ともまもなくお別れなのか!)
(上から蘇芳、蘇芳、茜、山梔子、桜、白、藍の小管をセットした七本の樋)

<アルスシムラ>の織りの最後の週でした_a0031363_202038.jpg (am15:20 五枚目50cm)

(カラスノエンドウのあとにサクラさんからいただいたきれいな薄緑色の紫陽花をいれた。
さくらで織る予定なのに、急に藍を入れたくなって少し入れて桜に。
このあたりで茜をいれたあと、桜一回茜一回ツートントン、、、花霞の感じになってきた。
このあたりを最初にしてみていたら、全体は少し違ってきたかもしれない。)

<アルスシムラ>の織りの最後の週でした_a0031363_204283.jpg (pm15:32織り56cm)

<アルスシムラ>の織りの最後の週でした_a0031363_2073130.jpg (pm15:51)

<アルスシムラ>の織りの最後の週でした_a0031363_209777.jpg1 (pm15:51

顔のあたりはさくらを蘇芳の色で、黄色は太陽の光の感じ、、、))

右から綾をくぐらせ樋を通し、左手に渡しながら中指で小管の糸を軽くおさながら、足を踏み換え、
カマチを手前に引いて気合いを入れてトントンと打ち込みを二回。
今度は左手にある樋を右に通し同じ事を繰り返す。
濃い色からグレー系茶系などを、ツートントン、ツートントン、、、
おもしろいようにリズミカルに織り進める。
 次は自分たちで染めたカラスノエンドウの緑系をツートントン、ツートントン、
樋を変える必要がないので、どんどん織りの長さが長くなって、
右の金具を回し千切りに布を巻いていく回数が増える。
織れた布もなめらかでとてもきれい!

 織れる長さは四メートル少しというから、これが最後となるだろうと思うと、
ああ、もうこれが最後の糸なのかしら、、、小管に残った染め糸をそっとなでてみる。
胸が一杯になって、予定が変わってもその糸の最後まで、色が終わるまで同じ色をその糸の最後まで
どんどん織ってしまっている。
終わってしまう最後のツートントンの時に、そっとアデューとささやいている。

<アルスシムラ>の織りの最後の週でした_a0031363_20101437.jpg (pm16:07織り織り終わり


わずかにあった紫で虹の感じ、あとは藍で青い空を純分に入れた))

織りながらこの四ヶ月間のことを考えたいた。
今年の半年間はふくみ先生関係のことで過ぎていったような気がする。
三月の細見美術館での「細見美術館特別展 志村ふくみ・志村洋子 作品展 しむらの色 KYOTO」の
出品カタログの中に、<敬の愛するしむらのいろ>というエッセイを書かせていただいて、
茶室では昔の時代の先生のお作品が展示された。

今回のお教室への参加を最終決定したのはその時だった。
そして四月の<アルスシムラ>の開校式の翌日から始まった染めと整経と織りの授業は、
東京から通うというハンディもあまり感ぜずに充実したものとなっている。

 ふくみ先生には四十年前にSさんのご紹介でありがたいご縁をいただき、
何十年かのあいだには一緒に海外の旅もさせていただいたり、または嵯峨のお宅でお話しをうかがいながら、
宇宙のこと自然のこと植物のことや文学のことエトセトラエトセトラと沢山うがかっているのに、
織りそのものについては魅せていただくだけだった。
それが今回は自分の手で染め整経し織る機会をいただき、まもなく五メートルの
<しむらのいろ けいこ版>が完成するのだ。
そしてその一部を経帷子にという夢が実現するのだ。

<アルスシムラ>の織りの最後の週でした_a0031363_20115540.jpg (pm16:24織り終わり76cm


これでジレー用の75センチを五枚織ったのだ。
結局六枚は無理だったのだ、、)

感謝の気持ちをこめて、ツートントン、スートントン、いつもまにか考えることなく手が動いている。
手元にある小管の色を時々換えてベースに地味が色で時々貴重が色を入れていく。
織れた布が二十センチほどになると、ギリギリぎりと千切りに手前に巻いてまた糸の部分を
ながくして織りすすむ。
最後は原点の桜の色違いを、、、。

数週間前の<一本の道>の授業のふくみ先生のお言葉を思い出している、、、、
“手は心により動くのです。心豊かなら手は動くのです”
“手は人間の心を伝えるセンサーのように、、、”

不思議な小一時間がすぎて、気がつくと五枚目の七十五センチは終わっていた。
すごい〜〜!

<アルスシムラ>の織りの最後の週でした_a0031363_201428.jpg (pm16:26織り向こうの糸束)

(向こうに糸の結びが見えてきたから、まもなく糸が無くなるのですね〜〜〜)

<アルスシムラ>の織りの最後の週でした_a0031363_2015124.jpg  
(後ろに回って糸の模様を。 糸を入れすぎて途中で切った経糸を巻いていったもが沢山残っている。これもまた記念だ)

<アルスシムラ>の織りの最後の週でした_a0031363_20351548.jpg  (pm16:27
媒染違いの桜を二色で折り分として織り上がりのあと、もう次の織りに入っていった。)

<アルスシムラ>の織りの最後の週でした_a0031363_2044347.jpg (pm16:46六枚目織り始め)

<アルスシムラ>の織りの最後の週でした_a0031363_20462418.jpg


 気がつくとかなりの長さを織り終えていた。
え〜〜? 小一時間で三十センチ以上をも織り終えていた。
最初に十束ぐらいにして棒に巻いて始めた糸の束が見えてきて、あとどのくらい織れるのだろう。
なんだかいつまでもいつまでも織っていたい思いが深まっていく。

 講師のG先生に予定の五枚分が織り終えたことを報告。
“よかったですね。きれいに織れていますね〜〜”といつものお優しいお声に私は胸が一杯。

 あと二十センチほど織れるというので、最後の織りの愉しみは来週に残すことにした。

 <ギャルリーしむら>にいらしていた細見美術館の学芸員の吉川さんと談笑。
明るい内に新幹線の人となりました。

<アルスシムラ>の織りの最後の週でした_a0031363_2047383.jpg
(pm17:09アルスシムラは建物の裏側にあって、表に回ると<ギャルリーしむら>がある。
五月初めのグランドオープン以来、毎週違うお作品が展示販売されている)

      〜〜〜〜〜〜〜〜〜
http://keico.exblog.jp/17463363
2013年3月15日 金曜日 晴れ 京都にて
「細見美術館特別展 志村ふくみ・志村洋子 作品展 しむらの色 KYOTO」その一

http://keico.exblog.jp/17488692
2013年3月19日 火曜日 曇
「細見美術館特別展 志村ふくみ・志村洋子 作品展 しむらの色 KYOTO」その二



by pretty-bacchus | 2013-07-18 23:59 | ♠Art&美術,詩歌,展覧会,お稽古 | Trackback | Comments(2)
Commented by 郁子 at 2013-07-22 14:59 x
いよいよフィナーレを迎えるのですね。実習はともかく、東京から京都へ毎週通うなんて・・・きついのによく出来るな〜とその方を心配していましたが、旅を愛するカメラガール!はさすがに楽しみ方を知ってらっしゃるのでした。
アルスシムラが勿論メインですが、京参りの途上や京の街のあれこれで、私達もどれだけ楽しめたことか!敬子さんの心の豊かさがそのまま現れたのですね。苦痛と思える事の中に愉悦を見出すのは、生き方としてとても貴重な事に思いました。
織もやっと佳境に入ったところでお終いとは!そんな事って結構ありますよね。洋服に仕立てる時の事を考えながら織を進めていらしたけど、私にはそこまでくっきりとイメージ出来ず、色目の美しさ、配色の妙に唯々感心しながら記録を辿ってきました。
この体験によって、ふくみ先生の心をより深く生き得たことでしょう。著作や作品を鑑賞するだけでは得られないもの・・・体験の重みが私にも伝わってくるブログの記録でした。これがあるとないとでは雲泥の差です。
敬子さん一人に留まらず、その一端でもを私達も共有出来たのですから、嬉しかったのです。
Commented by pretty-bacchus at 2013-07-23 14:08
郁子さん、ありがとうございます。
私のこのブログでの<しむらのいろ>と先生への憧憬を、こんなにまでご理解いただいている方がいらっしゃるのは本当にありがたく嬉しいことです。
心より感謝いたします。

欲張って手元に使える<しむらのいろ>全部を使ってみたいと思ったのですが、さてどうなりましたか?出来上がりをじっくり見てみたいです。
<色目の美しさ、配色の妙>とおっしゃっていただきましたが、どんな風になっているのか
次回の最後の織りの後が私も楽しみなのです。
今までの人生での各ジャンルでの体験や学びが織りなされていたら愉しいですね。
この体験を通して、おっしゃるように<著作や作品を鑑賞するだけでは得られないもの>を沢山いただくことが出来ました。
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