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天鈿女命の太田神社のカキツバタは国の天然記念物
2013年5月16日 木曜日 曇り 京都から東京へ

 昨日は、志村ふくみの<アルスシムラ>第四回目で五時まで織機に経糸を準備する授業でくったくた。
ホテルに帰り、久しぶりに整体マッサージをしてもらった。
体中がたがたなのはわかっているが、なかなか時間がとれないし、ジムも止めてしまったから
東京ではこれという適任者もいないでいた。
このホテルのスパも経営者が変わって三代目で、今回は医療機器の会社が日本中のホテルの中に
240もの整体マッサージSPAをしているという。
三十代の素敵な女性で施術はなかなかの腕だったが、今日は少しもみ返しがきているかもしれない。

 東京に帰る前に友人と、曇り日の夕方なのに上賀茂神社の摂社の太田神社に行くことにした。
この時期だけ見られる国の天然記念物のかきつばた群落 を見てみたいと思ったのだ。
先週のNKさんとNoriさんのブログに動かされていたから、、、。
http://dukesaloon.exblog.jp/18738881/
雨の日のお詣り、かきつばたの名所でかきつばたを撮らずと師の教えに習って

http://k7003.exblog.jp/18738694/
雨に煙る大田神社の辺り

 タクシーに乗って神社の話になって、二人一緒に口からでたのは、
<神山や おほたの沢の かきつはた 深きたのみは 色にみゆらん>
運転手さんが後を向いて、“ほう教養がおありになりますね〜〜いずれあやめかかきつばた”
“え〜〜? いえいえ、歳を重ねていますから、、、”
十五分ほどで正面の背の高い深い森の手前に朱色の鳥居が見えてきた。

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(DP1 Merrill)

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 古代上賀茂の地は沼地で、賀茂氏によって開墾され大田神社の東側には今も約二千平方m2の沼沢地が残り
「大田の沢」と呼ばれていて、古代より野生のかきつばたが群生したと言われている。
平安時代の『千載和歌集』の編者の藤原俊成も大田神社のかきつばたを歌に詠んでいて、
それを私たちは若い頃に学んでいたのだ。

 鳥居の前の右側に細い水の流れのほんの数十センチの木戸があり、その眼前には、
曇りの夕方なのに緑の葉が揺れてその間に紫のカキツバタが鎮座していた。
考えていたよりずっと狭い沼地には、もう枯れて花が落ちてしまっているのもあり、
花の盛りにはどんなにか艶やかだったことだろう!
光が踊ると花の色が変わっていきなんだか不思議な空間。どこかでカキツバタの神様が私を
もてあそんでいるような、、、、。

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 奥に見える家並み辺りも昔はきっと沼地だったのだろう。
沼との間に湿地には黄色の野草が咲いていたり、左の奥のほうに回ってみると、沼の水辺がはっきり見えて、
太い木ぼっくりがあって、この辺りの歴史の古さを物語っているようだった。
古代の京都が湖だった頃の面影を良く残していると認められて昭和十四年に国の天然記念物に
指定されているという。

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(年輪の大木が社務所の前に、、、しめ縄はその歴史とこの木の大切さを物語っているようだった。

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 鳥居をくぐると前方に深い森の全面に神社が静かにたたずんでいた。
御祭神として天鈿女命(あめのうずめ)が祀られているそうだが、その
楚々としたたたずまいは古き良き大和の神々のつつましい尊厳さが深く沈んでいるようだった。

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鎮守社
 大國主神

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入母屋妻入りの割拝殿は、
<末社 白鬚社
 猿田彦神
長寿を守る神>とあった。
深々と手を合わせた。


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(敷地を出た右にあったお社。足腰の神とあって、今日の私のようで思わず手を合わせて、、、)

日没前のほんの二十数分のあいだ、私たちはいにしえの時代にタイムスリップしていたような感じだった。

〜〜〜
 ところで、アヤメとカキツバタの違いは?
花びらの基のところが白いのはカキツバタ杜若、アヤメには網目状の模様が、サトイモ科の花菖蒲は、
黄色と区別できるのだ。
菖蒲は葉や根茎に芳香があり、端午の節句の「菖蒲湯」や「菖蒲葺き」「菖蒲酒」など、
古くから邪気をはらう植物として使われていたという。

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by pretty-bacchus | 2013-05-16 23:56 | ♢Journey inJapan国内旅の記録 | Trackback | Comments(4)
Commented by k7003 at 2013-05-20 05:48
表面の美しさに魅了されてひたすらシャッターを落とすボクなどとちがって、日本文化の深奥に想いを馳せながらカシャされるpbさんには、頭が下がります。
(^_^)v
Commented by dukesaloon at 2013-05-20 17:40
国の天然記念物だったのですね。知りませんでした。
曇の日の夕方にお出かけになるなんてさすがお目がたかい。
晴天の日中ならこの色香が作品に出にくかったでしょう。
タイトルバーの下の杜若色が嬉しいです。
Commented by pretty-bacchus at 2013-05-21 00:59
k7003さん、ありがとうございます。
あの神社と森には聖霊が宿っているような気がしました。
鳥居をくぐったあたりの細い水の溝には何百年も生きているかわずがいるのでしょうか? クヲークオ〜と鳴いて私たちを迎えてくれたのです。
こんにちは、、と返したら、いらっしゃい、と返事をしてくれました。

Commented by pretty-bacchus at 2013-05-21 01:05
Noriさん、いえいえ、あの日のあの時間しかチョイスがなかったのです。ほんとうは同じ時間でも、もう少し太陽がほしかったとおもうのですが、、、。
タイトルバーの下の杜若色をお気に召していただいてありがとう!
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