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世紀の金環日食を手持ちで撮る
2012年5月21日 月曜日 曇ったり晴れたり、、、その二、、、金環日食の朝に

 ほんの少しだけうとうとして目覚ましで目覚めた。
少し開けられている寝室のカーテンから入る朝の光には色がなく、
今日はやはり予報通り曇りなのかしら、、、?
でもこの日の晴天度は六十八パーセント。

 白いカーテンが揺れて、遠くの空に青空が見えてきた。
六時半、もう太陽に月がかかっていて食がはじまっているはずだ。
太陽の恵みがあるに違いない。
全国の小さい子が日食めがねをもって夢をおっているのだ。

 簡単に着替えて五階に上がった。
エレヴェーターを降りて左に曲がると、どこの部屋にも関係ない数メートルの
外部廊下がある。
一昨日管理人さんにお断りして早朝でも出て良いと言われていた。

 両側のビルの合間のほんの一握りの<空の空間>には左側に青い空、、、右側は雲で覆われていた。
その曇り空の切れ目から太陽がぎらぎらと輝やきはじめた。
いや〜〜晴れたのだ!
良かった〜〜日本中の子供達が待ちに待っているのだから、、、、。

今日の日の出入・月の出入は
  日の出 04時31分  : 日の入 18時44分
東京の金環日食の予定は、
  食の始め 6時19分4秒
  食の最大 7時34分31秒
  食の終り 9時2分35秒

  中心食の始め 7時32分1秒
  中心食の終り 7時37分1秒

 今朝のカメラは二台。
ニコンD7000につけたNikon AF-S DX NIKKOR 55-300mm(35mで450mm)と、NikonP510の1000mだけ。
先週アオヤマさんから速達メール便で届いた21日の金環日食をとるための手造りフィルター。
一眼レフのレンズの方はフィルターをつけられるので黒いフィルターを、NikonP510は結局だめなので、
周りの様子を撮ることにした。

 まず日食用の黒いめがねをかけて眼前の太陽を確認。
食の始めは6時19分4秒だから、もうかなりかけ始めている。
まずオートフォーカスでトライ。だめだ、、、全然シャッターが落ちない。
最大にしてマニュアルにしてみた。黒いフィルターの向こうに太陽を感知、でもピントがあっていない。
二段構えのレンズの前方の方を右に左に回してみた。
ピントがあった。確かに太陽が欠けている、、、、三日月型!
AM7:08
世紀の金環日食を手持ちで撮る_a0031363_3154185.jpg


 雲が流れて太陽をかくして、、、、またわずかに現れてくる。
その間にいろいろレンズの設定を変えて試写を試みた。
もともとマニュアルではあまり撮ったことがないから感で動かすしかない。
ともかくファインダーをのぞいて、ピントを金環日食になりつつある太陽に合わせてとり続けた。
スポットではなく中央重点でいくことにした。

 鳥の声がした、カラスがカーカー鳴いている。
でもあまり暗くならない、、、なぜなのかしら?、、、と独り言。
いつもまにか隣にやってきた連れ合いが、
〝皆既日食じゃないから、真っ暗にならないからなのかも、、、、〟
そうか〜〜〜!

Am7.13.30
世紀の金環日食を手持ちで撮る_a0031363_3185263.jpg

世紀の金環日食を手持ちで撮る_a0031363_3204873.jpg


 いよいよあと十数分で中心食の始まりだ。
カシャカシャ、、、雲間に太陽が出たりなくなったり、、、でもかなり顔がかなりつっぱてきた。
起きてすぐに化粧水も日焼け止めクリームもつけずみ出てきてしまったのだ。

Am7:17:46金環日食途中
雲が流れてまた欠けた太陽が現れた。
世紀の金環日食を手持ちで撮る_a0031363_3465573.jpg(雲がどうして写るのだろう〜?)


Am7:17:52金環日食途中
世紀の金環日食を手持ちで撮る_a0031363_3582561.jpg


Am7:28:51
世紀の金環日食を手持ちで撮る_a0031363_3492598.jpg

7時31分31秒に入った。雲よ晴れて、〜〜〜と祈りを込める。
世紀の金環日食を手持ちで撮る_a0031363_442699.jpg


 いよいよ中心食の始め 7時32分1秒に入った。
世紀の金環日食を手持ちで撮る_a0031363_410961.jpg

風が吹いた、、、遠くで鐘の音がする。
120521am7:32:25金環日食

世紀の金環日食を手持ちで撮る_a0031363_415373.jpg (トリミングはしてありません)

Am7:34:07金環日食
おお〜〜なんという神秘的な光景だろう!
世紀の金環日食を手持ちで撮る_a0031363_44197.jpg
(トリミングして、、)


中心食の終り 7時37分1秒の時間がすぎた。
Am7:37:15金環日食
世紀の金環日食を手持ちで撮る_a0031363_4223029.jpg

Am7:37:31金環日食
世紀の金環日食を手持ちで撮る_a0031363_4264955.jpg

Am7:37:46金環日食
世紀の金環日食を手持ちで撮る_a0031363_4315060.jpg

Am7:38:43金環日食 かけ始める、、、、
世紀の金環日食を手持ちで撮る_a0031363_440428.jpg

Am7:40:49
世紀の金環日食を手持ちで撮る_a0031363_4432272.jpg

Am7:45;16
世紀の金環日食を手持ちで撮る_a0031363_447612.jpg

Am7:46;40
世紀の金環日食を手持ちで撮る_a0031363_4512583.jpg

Am7:46;54
世紀の金環日食を手持ちで撮る_a0031363_453583.jpg

Am7:54;59
世紀の金環日食を手持ちで撮る_a0031363_562366.jpg

Am7:56;32
世紀の金環日食を手持ちで撮る_a0031363_581231.jpg


 この頃になってようやく外の全体を撮る余裕がでてきた。
この後は太陽の右上から元の形に戻り始め、ショーは終わりを告げる。
あとは、欠けきって食の終りの9時2分35秒まではかなりある。
あっという間に時がたつ。
ピントリングをそのたび合わせる親指が痛い。
三脚もつかわず手持ちでのマニャアル操作と、無理な事に挑戦した一時間半はあっというまにすぎた。

世紀の金環日食を手持ちで撮る_a0031363_519318.jpg

世紀の金環日食を手持ちで撮る_a0031363_5195698.jpg


 もう雲がかかって肉眼では太陽は見えないのに、レンズを向けるとふっと現れる、、、
太陽さん、ありがとう〜〜〜!
Am8:08:49
世紀の金環日食を手持ちで撮る_a0031363_5144412.jpg


 これを最後に部屋に引き上げた。
SDカードをマックに挿入。写っている!
なんという神々しさ!
テレビのニュースをみながら、続きはiPadで登録しておいたUstreamの実況の画像をみながら、
すぐに <食の最大 7時34分31秒>の一枚を現像してブログにアップ。
世紀の金環日食を手持ちで撮る_a0031363_5225136.png


早速にNKさん、galleryFさん、evecookymamaさん、ゆうこさん、 郁子 さん達からコメントが入り始めた。
〝速い!速い!びっくりしました、、、と。
なんだか興奮しながら、もう一眠りも出来ないまま午後を迎えた。

 それにしてもなんと不思議な光景だろう!
地球の事って、宇宙の事ってわからないことだらけなのに、今度の現象だって、
<奇跡的な金環日食>といわれているのはなぜだろう?
東京では173年ぶり、大阪では282年ぶり、こんな風に日本中を横断して楽しめるのは932年ぶり!
<<太陽は普段と同じように丸い姿で水平線から上がってくるが、20度の高さまで上がる午前6時19分に、
右上からじわじわと欠け始め、金環日食になるのは、ほぼ真東の方角で35度の高さになる午前7時31分。
それから約5分間の間に自然が作り出す「太陽のリング」を観察できる>>
<< <金環日食> 太陽の中央部分が月にさえぎられ、金色の環のように見える現象。
太陽と月が地球から見てほぼ一直線に並び、太陽が月に覆い隠されるのが日食で、
月が地球に近い場合は太陽が完全に隠れる「皆既日食」となり、
月が地球から遠い場合に太陽が完全に隠れずリング状に残る「金環日食」となる>>
といろいろ説明を読めば、な〜〜るほどとは思うのだが、不思議でしかたがない。

太陽の直径は約139万2000キロ、月の直径(3476キロ)の約400倍。
一方、太陽と地球との距離は約一億五千万キロで、月と地球の距離約三十八万キロに対し、こちらもほぼ400倍。
だから地球に住む私たちの目には、月と太陽はちょうど同じくらいの大きさに見えているのだという。
<<太陽の直径は月の約400倍、地球から太陽までの距離は地球から月までの距離の約400倍ある。
距離と大きさが非常に絶妙で、月が太陽の真正面を通る時にドンピシャに覆い隠す。これはまさに“宇宙の奇跡”です>>と、
アジア初の女性宇宙飛行士の向井千秋さんの夫の向井万起男氏が日食の神秘について語っていらした。
あういう方でもそうなのだから、私が驚嘆するのも当たり前なのだ!

古来幾多の文明で日食は神の祟りや凶事の予兆と恐れられて、日食を上手に使って戦いを勝した紀元前のお話とかが
沢山あるし、かぐや姫の時代まで月をモチーフにした文学作品が沢山あるから、昔から月って神秘な存在だったのだろう。
 
そのほんの数時間をこうして趣味のカメラでとらえることができたのは、まさに一生に一度の事だったのだ。
次回は2030年の北海道でだというからもうこの世ではあり得ないことだろう。
でも次には、数分ごとにシャッターを切って、日食の軌跡を一枚の写真にしたいと思い始めている馬鹿がいる!

 小学生のころの桜の木の校庭を思い出した。
空気が暗くなって、わあ〜〜という声があちこちで起こったのを覚えている。
あれはきっと部分日食だったのだろう。
あの時の記憶がその後、宇宙に興味をもつようになったきっかけだったにちがいない。

 この太陽は今日はどんな風に沈むのだろう?
今夕の沈む太陽を撮ってみよう、、、そう思ったが
帰宅して七階に上がれたのは<今日の太陽>が沈んで閉まった後だった。
一日が無事に終わったことに手をあわせた。

世紀の金環日食を手持ちで撮る_a0031363_5291528.jpg


>>>その三に続く。

(この金環日食は、アリゾナ州のモニュメントバレーでも見たれたようで、それはそれは壮観だった)

〜〜〜〜〜〜〜〜
 ブログ友の<positive京都>さんが、素晴らしい一枚を撮ってらした。
ベイリービーズも見えるみたい!
お断りしてアップしておきましょう。

http://diaryF.exblog.jp/18322835/
Gold ring solar eclipse
positive京都
世紀の金環日食を手持ちで撮る_a0031363_5312592.jpg


そして今日のグーグルは特別番でした。
世紀の金環日食を手持ちで撮る_a0031363_534484.jpg






by pretty-bacchus | 2012-05-21 23:58 | ◐Nature空,海,夕陽,緑花,鳥蝶 | Trackback | Comments(2)
Commented by galleryF at 2012-05-23 19:13
こんにちは、pbさん。ご紹介ありがとうございました。
時系列にそって観察されたご様子があたかも間近でご一緒だったかの様に感じられました。
終わってみれば短い時間のイベントでしたけど、一生の思い出ですね。
Commented by pretty-bacchus at 2012-05-23 23:54
galleryFさん、こんばんは、次回は貴方のようにと思いますのに、もう次回はないのですね、、、不思議な一時でした。
いろいろアドヴァイスをありがとうございました。

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