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モンテ・オリヴェート・マッジョーレ聖堂とサンタンティモ聖堂へ
2010年7月3日 土曜日 晴れ

 トスカーナは何度もきているのに、今日の二つの聖堂には行ったことがなかった。
ヴィーニャマッジオでの仕事を無事に終えての、この数日の旅は、
トスカーナの村に佇む中世の世界にタイムスリップすることが出来たみたい。

 6時半モーニングコールで(嗚呼!)8時半出発。
海辺のヴィアレッジョから再び高速に入り、フローレンスを脇に見て、
バスはさらに内陸の小さな村に向かった。
(なんとこの方々は旅慣れていらして、フィレンツエもアッシジもシエナも素通りなのです)

 モンタルチーノへ向かう途中のモンテ・オリヴェート・マッジョーレ聖堂,
回廊の28面のフレスコ画の連作がすばらしく、これはマストの聖堂だという。

人けのない未開の自然のような林の前でバスを降り(大型バス禁止だから、降ろされてしまって)
数分坂を昇った場所にベネディクト派の修道院モンテ・オリヴェート・マッジョーレがありました。
静けさがただようこの地で、オリヴェート修道士会の伝統を今も守り続けるという修道士が規則に忠実な生活を送っているのだそうです。

回廊内にはルカ・シニョレッリ(Signorelli)と ソドマ(Sodoma)による連作の
“サン・ベネディクトの生涯”のフレスコ画が見事に配されていました。
聖ベネディクトは六世紀の人で、労働と祈りを大切にしてきたのだそう。

 ミケランジェロ的といわれるシニョレッリと、ダヴィンチの影響を受けたと言われる
ソドマのフレスコ画を見比べたいと思ったのに、12時でしめますよ〜〜と、
神父様に追い出されてしまってちょっと残念。(黒い修道服ではなかった)

でも神父様に手を合わせてお願いして、数分いただきスナップはうまく撮る時間をいただきました。
(今イタリアでは、お店も聖堂もどこもここもお昼は12時から三時間くらいはお休みのようなのです)
聖堂内には、ある修道士による主祭壇背後の寄せ木椅子や、修道士らによる飾り文字で装飾された
交唱聖歌集があるし、他にも図書室や薬局が一般に公開されています。

 ここでの活動の一部にイタリアで最も設備が整った施設“本の修復”があるとのこと、
また寄せ木細工や、香草を蒸留し作られる蒸留酒が、修道士たちによって大切に守られている古いレシピ
なのだそうで、棚にあったので買ってみたかったが、水物は飛行機に持ち込むことができないので断念。

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 静寂の中、MonteOriveto モンテ・オリヴェート(オリーブの丘)と言われるように、
オリーブの木々や樫の木が見事な自然公園を作り出しています。
深呼吸をしながらバスに帰りました。

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 昼食後は、葡萄畑に囲まれたトスカーナの村を走り、田園風景の中に佇むサンタンティモ聖堂へ。
途中ジュネの花が車窓を飾っていました、、、エニシダって五月頃が盛期と思っていたのですが、、
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 バスを降りて、聖堂の美しい後陣を眺めながら、オリーヴの木や糸杉のトスカーナの原を愛でながら、

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 ほんの数分歩いて聖堂の前に。
これが、名工カベスタニーの柱頭彫刻で知られる美しいサンタンティモ聖堂。

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(右前方の高台にモンタルチーノの街が見えている)

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 (ファサードは修復されていましたが、タンパンは以前のままのようでした)


 堂内にたった一つ現物が残る深い彫りの柱頭は、カベスタニー作とされ、12世紀のもの。
この時期(12世紀)に、地中海各地でロマネスク彫刻を手掛けた
カベスタニーの職人(Maitre de Cabestany)と言われる彫刻職人さんの作品です。
この職人が一人だったのか、もしくはグループだったのかわからなにですが、
その彫りの深い特徴のある柱頭は見事です。
ここの柱頭は、狐目をした虎のような動物が今にも下に襲いかかってくるようで、
望遠はもっていなかったけれど、バックに入れた双眼鏡でしっかりと見てきました。

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 ラングドックやペルピニアン西部にわずかにのこっている名工のもの、
ピレネーの山懐のセラボンヌ、サン・ミッシェル・ド・キュクサ、サン・マルタン・ド・カニグーなどは、
エールフランスの機内誌の取材で訪れたことがあったが、
それが何度も来ていたトスカーナの平原にあったとは!

絵はがきを欲しいと思ったがないので聞いてみたら、無いからどうぞ写真を撮ってくださいとのことで、
カシャカシャ、、、でも今日は望遠でないカメラしかないのでアップは撮れませんでした、、、、残念。

モンテ・オリヴェート・マッジョーレ聖堂とサンタンティモ聖堂へ_a0031363_2543599.jpg  (エントランスに置かれたいたこれも、カベスタニーなのだろうか?)


 この日は、<モンタルチーノ泊>で、ちょっとひどいホテルだったが、
夕食はまたバスで数分のホテルに移っての宴。
今宵はこの地のブルネッルロのワインを楽しみましょう、ということになって、
出てきたのは、ラ・トガタのブルネロ・デ・モンタルチーノ2004。
それが、なんと以前私が輸入をしていた、<La Togata>であって大感激!
このレストランで一番美味しいブルネロ・デ・モンタルチーノなのだそうで、、、、

ローマのスペイン広場近くの凄いフラットに住むご夫妻で、奥様が判事で
ご主人が弁護士さんというカップルが十数年前にこの地に土地を買ってワイン造りを始めたのです。
お会いしたかったな、、、、

 少々ほろ酔いの夕食となりました。
ツアーの旅も残すところあと二日。

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(この日の夕陽もきれいでした、ヒトヒの無事に感謝して手をあわせました)


by pretty-bacchus | 2010-07-03 23:42 | ♧JourneyAbroad海外2010 | Trackback | Comments(0)
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