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秋の夜は 阿川佐和子の 虜なり
2004.9.26

 今週末の読書は「オドオドの頃を過ぎても」であった。作家阿川佐和子さんから今回いただいた著書の一冊である。

 ワインのご縁で佐和子さんと何度かお話をさせていただく機会があった。
 彼女の活躍は、目を見張るものがあり、以前から陰ながらのファンであったが、
期待に違わずさわやかな嫌みのない才女ぶりに、少々年上の私はすっかりファンになってしまったのだ。

  作家阿川弘之氏の長女。十数年前からエッセイを書き、既に三十数冊の著書があり、なんと初の小説「ウメ子で坪田穣治文学賞」を受賞してしまった才女。佐和子さんも今や押しも押されぬ文筆家である。

 阿川佐和子さんの名前を初めて知ったのは、80年代のキャスターであったと思う。さわやかな風貌とその少し素人らしい話し方にとても共感を覚えたものだ。その後突然引退し渡米し、スミソニアン美術館で仕事をしたり、、、、と、その活躍は見事である。テレビ、雑誌で活躍し、週刊文春の対談「阿川佐和子のこの人に会いたい」では見事なインタビュアーを演じている。
 一昨年あたりからワインの楽しさを学んでいるようで、ワインの雑誌によく登場している。

 本や文庫の書評、雑誌社の広報誌「波」とか、新聞とかに書かれた記事をまとめた形の「オドオドの頃を過ぎても」を読み進むにつけ、その生まれ育った環境をまざまざと一堂にかいま見ることになり、一つ一つ読んでいたのとは違った迫力となって今の存在となって迫ってくる。
 きら星のごとく輝く作家達や文化人に囲まれて育ったその環境と、彼女自身の精進と謙虚なオドオドしさとドウドウしさが、1953年生まれの日本女性の一人を形造っている。同年輩の私としては、素直に乾杯の杯をあげたい。

 少しばかり重なる私の父親像に喜んだり同感したり、、、この本を今夜は父の遺影の前において休むことにしよう。
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by pretty-bacchus | 2004-09-26 20:47 | ☆Books本の虫,講演,講習会など | Trackback | Comments(0)
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