ジュネの花 ピレネー越える 古の旅
2010年2月2日 火曜日 曇り

 東京の雪は朝には消えていた。
朝の光で残雪が輝いていた、、、つかの間の東京の雪の朝!
つかの間に日がでたが、曇ったり晴れたり、、、また寒さがぶり返してくると言う。

a0031363_0285022.jpg  (am7:22 朝の光にヒヨドリがやってきた、、、残雪が美しい)

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a0031363_0321994.jpg (借景の木にはもう春の新芽がはっきりと見える)

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a0031363_0361663.jpg  (午後になって少し陽がでた、、、)

a0031363_037117.jpg  (時には光って海に見える遠方の屋根にはまだ雪が残っていた)


 今日は午後から少しの時間ベランダに出た。
今回は坂本さんから三種類のパンジーと、斑入りコロニラ「パピー」トレリス仕立て
Coronilla valentina cv. Variegataという黄色いエニシダが届いた。
パンジーは、一鉢200円の可愛い鉢が十数個、品種の名前は 光源氏,個性派パンジー・
平安絵巻「やまとうた物語」と紫式部、ミステリアスな花色パンジー「月明かり」。
名前をみているだけでなんだか楽しくなる。

 黄色いエニシダは、青山さんの写真展でなつかしいオーヴェルニュ地方のジュネの花の写真を
みたのでベランダに欲しくなったのだ。
青山進氏の写真ホームページ

春にフランスの地方を旅すると、南仏では高速道路の横にさえ自然に花開いている
濃い黄色のエニシダの花は、フランス語ではle genêt ジュネといわれて中世イングランドの王朝の
プランタジネット家 Plantagenet の花といわれている。

a0031363_026125.jpg  (青山さんの写真を二枚、彼のブログから、オーヴェルニュのシェーズデュー)

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 1980年代初めに、朝日サンツアーズに<旅仲間のたび>を創るお手伝いをしはじめた頃に、
当時の社長の柳澤さんから教えていただいたことをなつかしく思い出す。
朝日新聞事業部にはその頃、奥さんというイギリスの大学で歴史を勉強していた学者肌の
スタッフがいらして、そのへんのことを旅の途中でいろいろ話してくださった。
(そして国松さん、間辺さんと知識豊富でホスピタリティーに富んだツアーコンダクターが続いた)
キリスト教の三大巡礼地のサンティアゴ・デ・コンポステーラの旅「トゥールの道」の研究の
バスツアーでピレネーを越えての旅の途中のことであった。

 トゥールでは<トゥール - ポワティエの戦い>の場所を見つけ出すのが私に与えられた役目で、
その折りにトゥールのメリディアンホテルに泊まっていただくという仕組み。
(私は当時、前任者の原さんの後を継いれメリディアンホテルチェーンの
日本代表をして世界中に羽ばたいていたのだ)

 私たちは十数人の旅で、パリからトゥール、その後ボルドー、サンジャンピエドゥポール
(サン=ジャン=ピエ=ド=ポル)に泊まり、あのローランの碑に手を合わせて
ピレネー山脈を越えてスペインに入った。
ホタテガイが巡礼のシンボルの旅の途中までお供したが、その後のスケジュール上、
旅をあきらめてブルゴスで別れてた。
ビルバオにひとり戻り、数時間遅れた真夜中の飛行機でパリに戻った。
(ビルバオでの大きな飛行機事故が起こった数日まえのことであった)
 今では「サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路」としてユネスコの世界遺産に登録されて、
有名になっているが、当時はまたあまり日本人は訪ねていなかった。
その旅では、キリスト教の歴史やフランス史イギリス史など多くのことを学ぶことが出来た。
イギリスの王朝Plantagenêt(1154-1399)の名前の由来は、
マメ科の植物エニシダのジュネの花(planta genesta 日本名は「金雀枝」?)。
アンジュー伯ジェフロワ五世がこの花が好きで、いつも帽子に挿していたことから
王朝の名前になったのだといわれている。

緑のしなやかな枝で、小さい蝶々のような花が群がって咲いているが、蕾を手にとって
花弁の横をそっ〜とこすると魔法のようにふわっと花が開く。
ミツバチが飛んできた時にすぐに花粉をつけて受粉してもらうしくみなのだそう、、、。
なんとすばらしい植物の神秘でしょう〜〜自然界というのは何て素敵なのでしょう。

ジュネはケルトの太陽神ルーの象徴で、勇気とか希望の訪れを意味しているとも、、、。
花言葉は<謙虚>

 冬の終わりをつげて咲き始める白い水仙の花、紫のリラの花、そして春先に咲く
黄色のれんぎょの花や蒲公英とともに、忘れられないフランスでの思い出の花。
オルリー空港への通勤高速道路沿いに咲いていたあの黄色い花でどんなにか慰められたことか、、。

 雪のふり注いだベランダで、エニシダの花はけなげに震えていた。

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大正生まれの男性二人に魅了されて2009年9月4日 金曜日 

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暗い朝に,冬のグレーの空のパリを思い出して 2009年10月30日 金曜日

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凱旋門に励まされての遠いパリの日々 2009年11月1日 日曜日 曇り
by pretty-bacchus | 2010-02-02 23:59 | ◐Nature空,海,夕陽,緑花,鳥蝶 | Trackback | Comments(3)
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Commented by 郁子 at 2010-02-04 16:35 x
p.bacchusさんのブログの楽しみの一つにベランダの風景があります。ベランダそのものは勿論、笛吹きエンジェルのレースのカーテンとその内側、そしてベランダからの借景なる風景、それら全てがまるで敬子さんの眼と一体になって味わえるという楽しさ。就寝前に訪れることの多い私には、ほんとにその日一日の癒しとなってくれるのです。都心にありながら、季節の移ろいがそれは豊かで美しい。鳥影をよく捉えておられるのも嬉しい。
  借景の芽吹きの梢ひよが来て
ひよ即ちひよどりは秋の季語ですが、この句の場合、季語は「芽吹き」で春。ひよは単に素材として詠んでいて、主題のあり方で許されます。
もう一つエニシダについて。ヨーロッパを初夏に訪れると、エニシダの見事さに本当に圧倒されますよね。日本と違って、群生していてスケールが違うのです。
エニシダは夏の季語で、大きな歳時記によりますと「ラテン語のゲニスタが転訛したスペイン語のイニエスタが日本語に定着」とあり、従って「金雀枝」はイメージをも加味した上手い当て字です。句帳より旧作を一句。
  崖道や金雀枝海になだれをり
 
Commented by pretty-bacchus at 2010-02-05 11:04
郁子様、コメントをオープンにしてくださってありがとうございます。
ベランダの内外をお楽しみいただいていますようで、とっても嬉しいです。
ここ一年ほどは、SOHOとやらを気取って家で仕事もどきをするようになってしまいました。
それというのも、事務所での車の音がないことと、内側に面して静かな借景がある環境を楽しみたいと思ってのことでした。
下に降りて道を一つ出るともう大都会ですのに、有り難いことにこの集合住宅の裏側は別世界のようです。
数年前までは空が一面見えたのですが、新しい建物がいくつも建って遮られてしまいましたが、ビルとビルとの間の空と、その地の木々が僅かに残っているだけで鳥たちもやってくるようです。
でも年々少なくなっているような気がします。
<借景の芽吹きの梢ひよが来て> 郁子様にかかるとすぐに素敵な句が出来てしまうのですね〜〜〜魔法みたいです! ひよどりは秋の季語だったのですか、そして季語は「芽吹き」で春。素材と季語、勉強になりました。ありがとうございました。

Commented by pretty-bacchus at 2010-02-05 11:06

郁子様へ続き、、、
ヨーロッパに何十回と訪れていらっしゃりロマネスクがお好きとのことで、青山さんの写真展の写真もほとんどご存じとは驚嘆いたしました。
きっとエニシダも各地でご覧になっていらっしゃるのでしょうね、、、、
<「ラテン語のゲニスタが転訛したスペイン語のイニエスタが日本語に定着」>で、エニシダが「金雀枝」ですか、面白いですね。
ヨーロッパの旅でも沢山句を作っていらっしゃるようですね、桜井さんのブログの『写俳』でいつも拝見しています。
クリスマスの一句も!

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