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遡っての巴里の記録 九日目 2008年12月23日
2008年12月23日 火曜日 記憶が切れている一日、汗でぐっしょりのベットでうなって寝ていた。遡っての巴里の記録 九日目 2008年12月23日_a0031363_21252852.gif
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 今日のJAL406便で発つ予定が一日延びていてほんとによかった、
一日ゆっくりと写真を撮ったり散歩をしたりと考えていた。

この一日をほとんど意識もなくホテルのベッドでうなっていようとは、誰がつくった、
私の人生の一日だったのだろうか。
もし、それが神様のお考えなら甘んじて受けようではないか、、、
聞こえてくるノートルダム聖堂の鐘の音を聞きながら、今日はベットですごすことにしよう、、、なんて、
オプティミスティックに考えていたのだが、どうも様子が変だ。
熱を測った。まだ39度2分ある、、、え〜〜〜解熱剤が効いてないのだ、どうしたら良いかわからない。
人生ではじめての経験だ。
それがまたパリでなのだから、どうなっているのかしら?

失明しそうに網膜に穴があいたのも八年前のパリだった。
もう無理はしないにしようと思って、一線を引退して、少しは自由になって
スケジュールも楽にしているつもりなのに、まだまだ歳不相応にアクティブらしいのだが、
今回は、かなりゆっくりとしていたはずなのに〜〜〜〜

遡っての巴里の記録 九日目 2008年12月23日_a0031363_18301561.jpg
  (今回のホテルのある日の朝食
大好きなボンヌママンのジャムやママレードも!)
 

 薬を飲むために朝の11時頃に部屋にプティデジュネを運んでもらって軽く食べて、初めての薬を飲んだ。
一昨年の秋の旅の時にいただいた、万が一を考えインフルエンザ用の風邪薬を
スーツケースに忍ばせてきていたのだ。
リレンザという感冒薬で、四つの穴があり、一回に二つをあけて、口から吸い込む方法だ。

万が一を考えて残りのヨーグルトをバターとジャムを小さな冷蔵庫にうつして、
トレーも外に出さずに戸口においておいた。

 記憶が切れている一日、汗でぐっしょりのベットでうなっていた。
午後にランブロワジーのピエールから電話をもらって、ジェラールが私を探しているのがわかったのだが、
彼の携帯番号を日本においてきてしまっているし、電話を他の人に問いあわせる元気もない、、、。
ピエールはとても心配してくれて、仕事のあと何か食べ物をもってきてくれるといってくれたが、
大丈夫と答えてしまった。
それにしても彼は、どのフランス人よりも、いや誰よりもいつも心がある、、、ありがとう!
汗とうれし涙がベットを汚す、、、、。

 午後に淳さんからお電話をいただいた。
今日は天皇誕生日で、大使館はお休みなのに、今のパリの日本人にあった病院の情報を、
お友達にきいてくれたのだという。
ありがたいことだ、、、電話に頭を下げる。
アメリカンホスピタルの日本デスクと、エージェントの方の電話番号とお名前をいただいたが、
電話をかける力がない、、、。

熱は下がらず、なんと39.6度まで上がってしまった。
どんどん高くなる、、薬がきかないのだろうか、、
さすがに少し怖くなった。
こんなに熱が出たのは、物心ついてから初めてだ。
どうなってしまうのだろう、、

パリに何十年もいて病院にも詳しいFさんに電話をしたが連絡はなかった。
(いかにも、らしい、、、)

 人生という大きな旅の中で、繰り返し旅してきた“パリへの小さい旅”の何百回が、
走馬燈のように浮かんでは消えていく、、、、
映画「雨の朝パリに死す」の設定は、雪降る朝だった、、、、熱にうなされた頭はどうなっているのだろう、
いろいろのことが脳内一杯に回っている、、、、
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 外が暗くなってから目が覚めた。
ともかくカーディガンを羽織って下に降りて、wifiをかりてメールのチェック。
(出発前にネット環境は大丈夫といっていたのにダメだった。毎日聞いても治る見込みはない、、、)
初めて見る黒人のオニイサンがナイトでスクのようだが、良い人のようで、
熱があるから薬を飲みたいのですが何か食べ物はないですか、、、、とそ〜と言ったら、
小さなお菓子と熱いショコラを入れて部屋に持ってきてくれた。
グラスにお水がいっぱい。
“水を沢山飲んでおやすみなさい、私の国での方法ですが、、、と言って、、、、。
ありがとう! 人間の治癒能力作用に従っているのだろう。

朝とっておいたパンにボンヌママンのジャムをつけて、
残りのヨーグルトを食べて、また薬をす〜〜と口から吸い込んでバタンキュウ〜〜。

時々目が覚めて時間をみるが、時間はゆっくりと進んでいく。
下に電話をして、明日の朝11時になっても朝ご飯の電話がなかったら起こしてくださいと、お願いして、、、

 フランスでの旅の思いでが走馬燈のように走る、、、
滋さんとの旅、母との旅、朝日新聞事業部の柳澤さんとの旅、そして友人他との旅
エールフランス航空の機内誌の取材の旅などなど、、、、
モンサンミッシェルへの日帰りの車の旅、ロワールのフランソワ一世のシュノンソー城、、、、、、
ヘリコプターから落ちそうになって撮ったヴォルヴィックの水源、
ムートンロッチルドの図書室でのディナー、マルセリーヌのプライベートジェットで通ったサンテミリオン、、、、、
ボルドーのオペラハウスの椿姫と、その後のギャラディナー、アランジュペ氏の顔が浮かぶ、、、
ブルゴーニュの幻の葡萄畑、シュバリエを受けた時の宣誓言はなんだったかな、、、
覚えていたはずなのに、出てこない、、、

柳沢さん達と初めて超えたピレネー山脈とサンジャンピエドゥポールの街、
サンチャゴデコンポステーラへの道のレオンの聖堂、、、、、
パリでなくなった朝日放送の原さんのこと、
、、、ベットの上でうなるように頭が回っている、、、

そうだ〜〜〜、二十代の駐在員の頃は、泣きながらシャンゼリゼのオフィスに通ったこともあったっけ、、、
あの時いつも見守ってくれたムッシュはいまどうしているかしら、、、、

うとうとうと、、、
ノートルダム寺院の鐘の音がまたなっている、、、
ベットの上で手を会わせよう、、、、、、

 生まれて初めての経験は、嬉しいことも辛いことも、明日への糧になるに違いない、
この発熱もだろうか、なんて思いながら、、、、
熱と戦っていたベットでの一日だった。

遡っての巴里の記録 九日目 2008年12月23日_a0031363_618678.jpg(写真は、部屋の中からの裏の窓からですが、当日のものではありません。



遡っての巴里の記録 九日目 2008年12月23日_a0031363_6211071.jpg (裏の通りがユシェットどおりに出る)


遡っての巴里の記録 九日目 2008年12月23日_a0031363_6261852.jpg (ベットに横になると天井の太い梁が、、、。
このカルティエは、こういう建物が多いという)


遡っての巴里の記録 九日目 2008年12月23日_a0031363_6224038.jpg


(何一つ買い物が出来なかった今回のパリで、
偶然に通りかかった、そして日曜日に開いていてソニアリキエルのショールが買えた。
クリスマスギフトの包装がとっても素敵だった)

〜〜〜〜続く、、、

by pretty-bacchus | 2008-12-23 23:58 | ♪JourneyAbroad海外2008 | Trackback | Comments(5)
Commented by おばさま@北海道・大沼公園 at 2008-12-30 09:22 x
こんな状態でよく帰ってこられましたね。

無理してはいけませんよ。
体からの警告ですから兎に角、休養をとって体力を回復して下さい。
インフルエンザが蔓延している町中には出ないでお宅でゆっくり静養して下さい。
今の体力でインフルエンザにかかったらひとたまりもありません。
用心して下さいね。

私は昨日ドラッグストアでマスク60枚入りの箱を買ってきました。
Commented by pretty-bacchus at 2008-12-30 18:38
おばさま、重ねてありがとうございます。
ほんと、、、ちょっと無理だったのかもしれませんね、、、
地上の旅でも疲れるのですから、一万メートルの空間の旅では、もっと辛いのですよね〜〜〜〜〜
今更ながらに、相変わらず馬鹿だな、、、ってえ思っています。


Commented by wateringpot at 2008-12-30 22:30
こんばんは。
流れるような文で綴られた旅日記がすーっと心にしみました。

よくぞご無事で帰っていらっしゃったと思います。
まだ本調子ではないと思います。どうかお大事になさってください。
Commented by pretty-bacchus at 2008-12-31 08:18
wateringpotさま、お早うございます。
いつも応援をありがとうございます。
来年もよろしくお願いいたします。

Commented by liebe at 2009-02-28 02:31 x
Sie haben eine schne Seite!
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