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箱根の「星の王子さまミュージアム」
2007年12月4日 火曜日 曇り

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 数週間ぶりに台所の蛇口が治った。
他の場所の水道は普通に使えるので、そんなに不自由は感じなかったが、
やはり直ってみるといかに不便だったかを実感!
耐乏生活を楽しみ始めてみて
「地震がきて水道が出なくなったら、こんなものかもしれないね、といっていたのだが、、

 一日をばたばた過ごして、二人とも疲れ気味、、、
夕食を終わったとたんに、うたた寝をしてしまって、
真夜中にごそごそと起き出して写真の整理を少ししている夜行族だ。
 
 先日、箱根のポーラ美術館にいった途中に、「星の王子さまミュージアム」を訪ねた。
http://www.tbs.co.jp/l-prince/aboutus/

 エントランスには、シャボン玉が飛び交って子供達だけでなく、大人達も遊んでいた。
館中に入ると、そこはフランスの街にしのびこんだ様な錯覚をうける。
郵便局、ファルマッシー、銀行などなどの建物があって、おりしも紅葉が降り落ちていた。
借景の山々に囲まれて、大木が青い空に映えている。

 アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリAntoine de Saint-Exupéryの作品に出てくる
飛行士、ヘビ、狐や王子さまなどの彫刻が園内のそこここにおかれて、
本当に彼の世界に迷い込んだような感じになる。

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箱根の「星の王子さまミュージアム」_a0031363_736138.jpg (突き当たりの壁には
古いエーフランスのポスターがあった)
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 (若いカップルが園内の案内パンフを眺めていた)
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 (ここはLa Poste 郵便局だが、建物だけ。ここで切手を買えたら楽しいのに、、、
鏡に中庭の彫刻が映っている)

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  (プロカメラマンの青山進さんをカシャッ〜〜)


 最期の建物は、アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリAntoine de Saint-Exupéry一色の
博物館のような展示ホール。

 1900年6月29日にフランスのリヨンで生まれたときから、飛行機で行方不明になるまでが、
年齢順に写真や直筆の原稿や遺物で飾れれている。
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フランスの作家で飛行機乗りで、郵便輸送のためのパイロットとして
欧州-南米間の飛行航路開拓などにも携わった
アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ。
イエズス会のノートルダム・ド・サント・クロワ学院を経て、スイスの
フリブールにある聖ヨハネ学院で学んだことは初めて知った。


 26歳で作家として本格的にデビューし以後自分の飛行士としての体験に基づいた作品を発表、
著作は世界中で読まれている。
デビュー作『南方郵便機』Courrier Sud
『夜間飛行』Vol de Nuit、『人間の土地』Terre des Hommes、
『戦う操縦士』Pilot de Guerre、『星の王子さま』Le Petit Prince

『南方郵便機』は映画になって、彼が自ら出演しているのだ。是非見てみたい〜〜〜。
作家のアンドレ・ジードAndré Paul Guillaume Gideが、フェミナ賞に輝いた『夜間飛行』の
巻頭文を書いているのも初めて識った。
改めて読み直してみたくなった。

 第二次世界大戦中、亡命先のニューヨークから、自ら志願して再度の実戦勤務で
北アフリカ戦線へ。
最後は、フランス内陸部を写真偵察のため、単座双発のロッキード F-5B を駆って
ボルゴ飛行場から単機で出撃して、そのまま消息を絶ったのだ。

 展示室の最後は真っ暗になり、操縦室から管制塔?への声が聞こえて、
まもなくヒュ〜〜という飛行機の音と共に、飛行機は大きな画面に消えて星空になる。
ここは、子供ではなく、学生や大人にも愉しめる空間だと思った。
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  (アンドレ・ジードが巻頭文を書いた『夜間飛行』の
初版本と、レジョンドヌールの勲章)
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 彼の飛行機とのかかわりは、兵役で飛行連隊に所属して、その後民間航空界に入ったのだが、
これがエールフランス国営航空の前身だったのだ。

〔エールフランスで23年仕事をした私はなんだか感無量だ。
そして辞めてからフォトエッセイとして、エールフランスの機内誌に写真と記事を書いて、
そのご縁で知り合ったフランソワ=クサヴィエ・ド・サン=テグジュペリ伯爵
Comte FX de Saint-Exupéryの造るシャトー・ドゥ・ティルガンChâteau de Tireganの
ワインを輸入にかかわることになったのだから、、、〕
そして今は日本のCLUB CHATEAU DE TIREGAND の日本代表
http://www.chateau-de-tiregand.com/htmfr/contact.html

人生っておもしろ〜〜〜い!
捨てたものではないな〜〜と、感無量だ。

 サンテグジュペリ伯爵が一昨年来日したおりにお連れしようと思ってできなかったのが残念だ。
「次にはぜひごいっしょしましょうね、、と青山さんと話しながら、”
大人の童話の世界”をあとにした。

http://keico.exblog.jp/1586550
http://keico.exblog.jp/1602681
http://keico.exblog.jp/2028309/
http://keico.exblog.jp/5208388/
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 それにしても、どうしてこんなに沢山の彼の写真が残っているのか不思議になったかが、
最後に解った。
彼と一緒に戦場にもついていたカメラマンがいて、その人の手には、
ローライフレックス二眼レフが握られていた!。
(ローライフレックス二眼レフは、四年生の時に父から買ってもらった
私の初めてのカメラだった!!)
セ・ファンタスティック!

上り坂、降り坂、まさかの坂の連続の我が人生はドラマティックだが、、、、
ファンタスティックなことも沢山あるのだ。
(その高低差が歳と共に大きくなっていて、つらいのだが、、、、)
セ・ラ・ヴィ!

 帰りは乙女峠を越えて、夕方の富士山を眺めながら帰路についた。
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 (走る車の助手席から)


(今回はすべて、オリンパスのE-3にOLYMPUS ZD ED12-60mmF2.8-4.SWD。
設定は、vividでJPEG SHQ)
by pretty-bacchus | 2007-12-04 23:59 | ♠Art&美術,詩歌,展覧会,お稽古 | Trackback | Comments(3)
Commented by narugami_626 at 2007-12-05 21:03
とても素敵な場所ですね^^
そして、なにより現実は小説より奇なりというように、
人生は面白い事だらけですね。
そして、不思議な縁がありますよねー^^
Commented by pretty-bacchus at 2007-12-06 06:19
narugamiさん
なかなか良くできたエンターテインメントパークでしたよ。
本当に人生は山あり谷あり、落とし穴ありですが、それも又面白い人生なのでしょうね、、、
Commented by molodov52 at 2010-08-22 20:10 x
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