しとしととふる雨に、灰色のパリの空を想って
2017年6月13日 火曜日 一日小雨

 こんな時には静かに雨のふる日はなんとも嬉しい。
雨の日も悪くないと思い始めたのはいつのころからだったろうか。
子供の頃は晴れ女で、遠足の日なども前日の雨はうそのように晴れていた。
てるてる坊主をつり下げたことはあまりなかったな、、、。

ずっとずっとそんなだったが、人生にも晴れの日と雨の日があることをしみじみと感じ始めた頃から、
雨の日の暗さも落ち着きも、そしてその後に必ずやってくる太陽のまぶしさをもっと好きになっていった。

 どんよりとした冬の空を好きになったのは、パリに住んでいた頃からだった。
パリの冬の空はほんとうに暗かった。
駐在にでたのは七月の暑い日だったから、夜の十時過ぎても明るいパリに狂喜した。
それなのに、冬になるとパリの空は灰色になっていった。
同じ空なのに青空はどこにいったのかしら? と不思議に思ったものだった。
その空がまだ暗い頃に一人で車を運転してA6オートートをくだり、仕事場のオルリー空港までの小半時は、
時にはつらいものであった。
真冬になると道路はベルグラとなって凍り付いた。
東京から到着する飛行機が着く頃にやっと昇り始める太陽に手をあわせたものだった。

 その冬が明け始めるのは二月の終わりごろ。
高速の右に左に黄色いエニシダの花が咲く頃で、街の館の庭々には紫のリラの花が咲き始める。
そうしてやがて気がつくと空の色はだんだん青い空になっていく。
あの灰色の冬の空の数ヶ月があったら、この青い空の美しさはなおいっそう大きいのだろう、、、と、
妙に納得していった。
次の冬には、そのグレーの空の冬のパリを楽しく思い始めたのだった。

 あれから四十六年、つい昨日のように思い出すのは、あのころの一日一日は毎日がとても濃かったのだろう。
わたしの生きた記録と記憶にはかかすことにできない<あの時代のパリ>
それはきっとどんどん遠くなるにちがいない、と思う今日の東京での<私の巴里>

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 (しっとりと雨に濡れた借景の緑は静かでよい、、、、)



by pretty-bacchus | 2017-06-13 23:58 | ♡Daily life日々の事など | Trackback | Comments(0)
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