晩秋の歓びはあと三週間でやってきます
2016年10月23日 日曜日 晴れたり曇ったり

 きれいな朝だ。
ぴ〜ぴ〜ぴぴ〜〜朝から鳥の声がさわがしいほど、、、、。

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 今年の新酒ボージョレヌーヴォーもいよいよ今日でフランスへの発注は最終日。
思えば三十五年よくやってきたとつくづく思ってしまう。
十年前にすべてのワインと食品の仕事のお手伝いをやめたのに、日本での愛好家のたっての願いで
またこうして関係が続いているいくつかの造り手さんがあり、このシャトー・ドゥ・ピゼイの
ボージョレヌーヴォーもその一つ。
フランスとのやりとりや、フォワーダーさんとのやりとりは、やはりノウハウがあり、
誰にでもできるというものではないのかもしれない。

 今年のボージョレの2016年ミレジムは非常に遅熟の年になった。
春からの天候不順と雹の被害で葡萄のさくゆきが危ぶまれていたが、夏には暑い乾燥した好天に恵まれ
葡萄はすくすくと成長し、秋の初めには涼しい風がふいて、葡萄の病気もなく理想的な完熟となったようだ。
収穫は去年と比べると三週間も遅く、九月の中頃からはじまり、今月の半ばまで続いた。

ボージョレ地方では、約三〜四週間にわたり二万人近くの<収穫人>と<葡萄運搬人>が
この地方のガメイ種の葡萄畑の狭い畝を賑わせて、収穫はすべて手摘みで行われる。

 シャトー・ドゥ・ピゼイでは、大切に育てられたガメイ酒の葡萄は完熟を待ち手積みされて
醸造所に運ばれる。
普通ワインは房などをとってから発酵タンクに入れられるのだが、ヌーヴォーを造るときは
そのまま投げ入れれ、密閉された発酵槽のなかで葡萄の重みで、やがて一番下の方のぶどうの実が潰れ
果汁が出て醗酵がはじまる。
充満した自然の炭酸ガスにより細胞膜が破壊されるまで四~五日、年によっては十日程かかり、
その後果実は破砕して果汁のみ発酵され、静かなる熟成の時を経て葡萄酒となる。
この方法は伝統的に自然を重んじてのマセラシオン・ボジョレー(マセラシオン・ナテュラーレ)と
呼ばれている。
(一般的に大手が行っているマセラシオン・カルボニック<炭酸ガス充填法>では、炭酸ガスを人為的に
密閉タンクの中に充填して、てっとり早く二〜三日で醗酵するので、香も味わいも違ってくる)
 
 広いボージョレ地方のなかで特に選ばれた十のクリュの中でも最高の立地で、最も土壌に恵まれ
たモルゴンにあるシャトー・ドゥ・ピゼイの畑は、東南を向いていて、太陽が理想的にあたり、
110エーカーの葡萄畑では樹齢は四十五~六十年位の葡萄の樹が栽培されている。
豊かな土壌、有機栽培での優しい葡萄栽培、恵まれた光と風、自然と太陽に恵まれて、
最良の天候などに潜んでいる絶妙の組み合わせを生かして素晴らしい2016年ヴィンテージの
ボージョレ・ヌーヴォーになると、醸造家のパスカル・デュフェートルから連絡がはいったばかり。
十月末には瓶詰めされ、十一月初めには空輸で日本に送られてくる。
シャトー・ドゥ・ピゼイのボージョレ・ヌーヴォーは、ボージョレ地方全体の0.5パーセントほどの稀少で、
昔は領主様だけが味わった珠玉の新酒で、日本へは限定の五パーセントの数百ケースが空輸されてくる。
 
 天地人の賜であり、その年の五穀豊穣を祝う神酒&新酒<ボージョレヌーヴォー>は、
その年にとれたお米=新米のように<お祝い>のワイン。
特にこの<新酒>はいくつもの素晴らしいエポックメイキングになってきていて、
日本へのワイン文化導入の一端を担ってきている。

 輸入を始めた当時からすでにそうであったが、ガメイ種のボージョレヌーヴォーなんて飲めない、と
うそぶく人々を尻目に、また時には馬鹿にされながら、私がこんな形でかかわってしまったのは、
やはり運命?だったのかもしれないと最近つくづく思っている。

吹田御大の十数年後に、田崎さんの数年前の頃からフランスのワイナリーとお近づきが多くなり、
その頃に貿易会社を起こした連れ合いの会社に洋酒部をつくってもらい細々と日本に入れだしたのだ。
まだまだワインが日本で大いばりして歩き出していない頃だった。
1982年のJATA日本観光会議での<エールフランス&メリディアンチェーン>でのブースで
お披露目を果たして、その夜に催された宴のホスピタリティースイートには世界中からの二千人のお客様に
大きな樽からこの新酒が振る舞われ新聞にでるほどの話題になった。
なつかしい懐かしい思い出一杯の新酒。

あれから三十五年! 造り手のパスカルデュフェートルも私も年を重ねて、もう三十五年もったのだ。

 百貨店にもスーパーにも、もちろんネット販売もされずに、ほんの何十人かの愛好家の方の元へだけ
届けられるシャトー・ドゥ・ピゼイの<ボージョレヌーヴォー>
三十五年のうちには亡くなった方も数人いらっしゃるし、年齢を重ねての禁酒とかの方々もでてきている。
九月末までにご連絡がない方にメールをいてたりしていたら、先週渋谷のTさんからメールをいただいた。

 <毎年早くからきめの細かい葡萄の生育だどをお知らせ頂いており有難うございます。
今年の分の特別先行予約のメールを発信していたと思っていましたが勘違いでまだでした。 
つきましては今年も購入を希望いたしますのでぜひ宜しくお願い致します。

期日遅れの申し込みで申し訳有りません。
これで今年も平和な一年が締めくくる事ができます。 
また私のみならずこの味をを楽しみにしている友人たちがいますので彼らの夢も叶える
ことができます。
ほんとうに有難うございました。

世界の人々が<シャトー・ドゥ・ピゼイ>の新酒を味わった後の笑顔ような気持ちでいれば
戦争もいざこざも無くなると思います。
日本の政治家も都庁の職員もこの幸せを味わってもらいたいものです。
毎年、毎年、素敵な夢を有難うございます。>


なんと嬉しいメールだろう。ウルルンしながら返事を書いた。
(そうなのです、、、、新酒って友人達にお配りしたいのですよね!)

 天・地・人の賜であり、その年の五穀豊穣を祝う神酒&新酒<ボージョレヌーヴォー>は、
その年にとれたお米=新米のように<祝い>のワイン。
今年はどんなドラマが生まれるのだろうか?

 まもなくパスカルからも、例年のように、出来具合のレターが着くだろう。
毎年詩情あふれるメッセージが届く。
新酒の味わいを、時には聖書から、時には宇宙や大自然から、時にはボードレールの詩からと
いつも感性あふれる文章で、豊穣の歓びを讃えてくれる。
翻訳して愛好家の方にお送りするのも一苦労なのだが、皆さんの嬉しいお顔を考えて筆が進むのだ。

 晩秋のありがたい一つの行事なのだ!
解禁日は十一月の第三木曜日。今年は17日! あと三週間だ!

 ~~~~~~~~~ このブログの中のいろいろ、〜〜〜〜〜〜〜

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四ッ谷界隈のお寿司屋さんでは樽を割る。
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Chateau de Pizay 

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 (すき焼きの銘店、ホテルニューオオタニ内の「岡半」さんで、Nov,2010)

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試写 Sony NEX-5 + CarlZeiss Planar50mmF1.4 T*

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光陰矢のごとし、シャトー・ドゥ・ピゼイのボージョレヌーヴォーと共に

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#IMAGE|a0031363_401683.jpg|200611/16/63/|mid|680|408#] 
 シャトー ドゥ ピゼイの樽を24時に開けて乾杯!
(九年前はこんなに若かった!)

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2015年9月25日 金曜日 雨
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by pretty-bacchus | 2016-10-23 23:59 | ♥Wine & Dineワイン&食事 | Trackback | Comments(0)
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