フレンチレストラン<コート・ドール>が三十周年を迎えました
2016年2月25日 木曜日 曇り

 三田のフレンチレストラン<コート・ドール>。
斉須 政雄がオーナーシェフのお店は三十周年を迎えた。
<マサオ>は日本のフレンチ界をリードする巨匠の一人。
その姿は<修道士>のようだと、連れ合いはいつも言っている。
長い間行っていないのに、いつも彼と彼の料理は、我が家の話題になっているし、
彼からもお電話をいただいたりしていた。

 そして明後日は彼の六十五才の誕生日。
“ね〜行きましょうよ、、、、”  “行こう、いこう、、、、”
昨日夕方に電話をしたら、マネージャーの松下さんは私の声を覚えてくれていて感激〜〜!
いいです〜〜と言うのに、シェフに変わったくださって、しばし話してしまって、、、。
週末は満席だが、今日はとっていただけるということで、久しぶりに三田まででかけたのです、、。 
 
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(三田ハウスの正面の一角にある)

“お久しぶりです〜〜〜〜。“ご無沙汰していました〜〜〜。
フランス式に頬と頬をあわせてしっかりと抱き合った。
胸が一杯、、、、涙腺が壊れそう〜〜〜。

 十数年前に内装をすっかり変えているが、その凛とした美しいただずまいは保たれたまま。
(きれいにみがきあげられたキッチンも、きっといつものように美しいのだろう)
エントランスの花、中に入って左手の奥の台には大きな盛り花、これは彼の仕事場だったパリの
ベルナール パコーのランブロワジーと同じような佇まい!
八卓のお店は今夜は半分ほどのお客様で静かな宵のよう、、、。

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(正面も右も大きな一枚ガラスで、その向こうは広いお庭。昼のランチはとても気持ちがよいのです)
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 十年もご無沙汰してしまったようで、どうして十年も行かなかったのだろう、、、。
それまでは毎月何度も彼の<フレンチの粋>をいただいていたのに、、、。

 前世紀後半に青天の霹靂が起こり、パリのアパルトマンも整理して、その翌年にパリで突然のことに
右目の網膜に穴があいて、、、、(帰国後緊急手術で奇跡的に失明をな脱がれたが)。
十年前にはまたまた信じられない事件が起こって、、、と、フランス料理には関係がないのに、
<フレンチ>から遠ざかってしまっていた。
不思議だな〜〜〜どうしてだろう、、、、。

 ようこそ、、、とシャンパンのサービスをいただいて、、、、なんだかうるうる、、、、。
懐かしい彼の直筆のメニューは昔とすこしも変わっていない。
そのうえ値段も上がっていない、、、。

久しぶりなので、いただくお料理は予約の時にシェフにお任せでお願いしてあった。
松下さんが、“マダム今夜はこんな感じで、、、、。ムッシューいかがでしょう、、、と。
いつもの口調でにこやかに、、、、。
ショートポーションで
= アミューズ
= 千葉九十九里浜産 鰆の燻製 季節の野菜添え
= 茹で上げホワイトアスパラガス ドレッシングソース
= ヴォークリューズ産トリュフのかき卵
= 国産牛のしっぽの煮込み 赤ワインソース

パリッツとしたフランスパンが美味しい。

#IMAGE|a0031363_231739.jpg|201602/29/63/|mid|984|657#](手書きのメニューは、、、、、、)








 どれもこれもなつかしいあったかい美味しい<皿>であった。
新しいホールの方が、
“とても健啖家とうかがっています、、、”と。
“昔はですね、、、、それにワインも昔のようにはいただけなくなりました、、、”

 彼のお料理は、独特の世界観に満ちている。
クラシックでもないしヌーベルキュイジーヌでもない。それは斉須シェフによる<斉須フレンチ>。
シンプルなのに、旨みのしっかりと濃い味わいと風味。

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(アミューズは、バケットに桜海老とチーズを載せて焼いたもの)

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(千葉九十九里浜産 鰆の燻製 季節の野菜添え)

 茹で上げホワイトアスパラガスは、ロワール地方からのアスパラ。それにあわせたようにワインは
ロワールの白、それもヴィオディナミのニコラジョリの白!
赤ワインはブルゴーニュのヴォーヌロマネ。

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(ヴォークリューズ産トリュフのかき卵)

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(国産牛のしっぽの煮込み 赤ワインソース)

デザートは
= 熊本産和栗のモンブラン
= ココナッツのシャルロット
 デザートのお変わりは、いちごのスープ ワイン風味

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(熊本産和栗のモンブラン。ぼけてしまいましたが、、、)

#IMAGE|a0031363_2201620.jpg|201602/29/63/|left|1004|670#]





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 なんと落ち着いた静かなディナーだったのだろう。
最後の晩餐は?と聞かれたら、私たちはやっぱり<マサオ>のお料理にしたい。
あと何回いただけるのかしらね、、、と、今までの人生を振り返えりながらの二人の食事もよいものだ。

 帰り際にまたしばらくシェフとお話しすることができた。
<3.11>が起きなかったら、六十歳になったら引退してフルサトに帰りますと、
昔々彼が言っていたように、彼は故郷の福島県白川にかえっていたかもしれない。
しっかりと握手をして、次の予約をしておいとまをした。
“修道僧みたいだね、、、。痛いほどの握手だった、と連れ合いは嬉しそうにしていた。

次回はおなじみの「赤ピーマンのムース」や「野菜のエチュベ、コリアンダー風味」「梅しそのスープ」も
いただきたいな。
(「エイとキャベツ」は<3.11>以来、メニューからきえてしまったようだ)

 斉須政雄さんと初めて会ったのはパリ。まだ東京からの便がオルリー空港に離着陸していたころだから、
四十年も前になるだろうか、、、。
彼がフランスで苦労の修行を重ねたあとに、ベルナールパコーさんと出会い、ランブロワジーが
まだ河岸にあった頃だった。
ベルナールパコー&マサオサイスのランブロワジーは一年でミシュラン一つ星に輝き、すぐに二つ星になり、
三つ星になるにはアトモスフェールと広さのある店がマストとなり、次のヴォージュ広場に移るのが
決まった頃だった。 彼はその前に日本への帰国を決めていた。

 十八歳でフランス料理の世界に入り、二十三歳で渡仏した彼は、十二年間のフランス滞在で
さまざまなレストランを渡り歩いて料理の腕を磨いた。
帰国してほどなく「コート・ドール」の料理長となり、後にオーナーシェフになって三十周年を迎えたのだ。

 フランスでの十数年の修行時代は、当時は今とは違い日本人がフランスのレストランで修業をするのは
大変な時代であり、それはとてもたいへんだったようだが、寡黙な彼が直接語ることはあまりない。

二十数年前に友人の編集者が聞き手となりそのあたりを書いてくれたし、
その後も何冊かの本で語られている。
<メニューは僕の誇りです>
<十皿の料理>
<調理場という戦場―>

 お手洗いにはバカラのガラスの花入れに十本の薄紫のチューリップがさりげなく投げ入れられていて巴里!

<コート・ドール>は、ネットでは「東京屈指の名店」「日本で五指に入る」とのフレンチの老舗なのに、
いまだに公式HPもないのもなんとも素敵だ。

斉須語録の一つ、
「私はね、フロアでお客様とお話しをするより、こうして毎日使うキッチンを磨いていたいんですよ」

 生きる歓び、食する喜びを享受して幸せの一夜でした。
居待ち月を愛でながら感謝して心豊かに帰路につきました。
ありがとうございました。

  〜〜〜〜〜〜〜〜〜
追記* この画像は許可をいただいて撮影し、ブログに掲載しています***

カテゴリは、あえて、食事ではなく、♥Person父母,師友人,人生の宝物






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by pretty-bacchus | 2016-02-26 23:59 | ♥Person父母,師友人,人生の宝物 | Trackback | Comments(2)
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Commented by S at 2016-02-29 06:57 x
敬子様、久々に聞きましたシェフのお名前… 数年だけ東京に住まっておりましたときに、お店の付近に住んでいた親戚が連れていってくれたものでした。その親戚ももう亡くなってしまいましたので、敬子様の記事に大変懐かしい思いにさせていただきました。
初めて、食に気持ちを洗われる体験をさせてくださったお店でした。静かに、怠らず… と、食以外の学びも受け取った思い出の店内を敬子様のお写真で拝見できて嬉しゅうございました。
Commented by pretty-bacchus at 2016-02-29 22:59
Sacraさん、こんばんは。
そうでしたか、いらしたことがあるのですね。
あのお店の美味しさと優しさのなかの凛はなんともいえませんね。

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