月夜の晩に、町の<火の用心若衆>と<ほろ酔い女>
2015年12月28日 月曜日 晴れ

 母からお正月のお餅が五枚届いた。
昔は釜土で何段も大きなお重に餅米をふかし、お餅はおばあちゃんがこねて、若い衆がつく。
長いながい作業板をお台所から裏庭に並べて、つきたてをあんころ餅とごろべ餅にしてすぐにいただき、、、
後は板にしてご近所にお配りしたものだ。 といっても六十年も前のこと!

 お味噌もそれはそれは大きな平たい樽のような器に大量の大豆をいれ、何人もの若い衆が足で践み、
大きな樽にいくつも造って納戸に収納していた。
熟成してくるときの、あのふくよかな香りを今でも忘れられない。
あの熟成香は、葡萄酒が発酵熟成するときの香りと相通じるものがあるのかもしれない、、、と
大きくなって思ったこともある。

 お正月飾りは九飾りも一夜飾りもいけないとされているから、今日あたりが一番あった日のようで、
街は門松であふれていた。

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 せんだっての新宿伊勢丹脇でスリにあってから、道を一人で歩くのがとても怖くなっている。
銀座や新橋の爆買いバスはもちろん、新宿の歌舞伎町から千代田区の麹町にいたるまでC国のグループのバスが
ひっきりなしに並んでいて、言葉の違う人たち数人とすれ違うのもストレスになっている。
ハンドバックを持つのもやめて、トートバックの中はカードと少しの現金とカメラだけにしたが、
それでも恐怖心はあるので、なるべく一人では歩かないことにしている。

 今夜は、ヒデさんとユタカさんに年末挨拶のダブル夕食で、ほろ酔い気分での夜道の帰路に
大失敗を演じてしまった。
大通りから中の道に入ったので、もう安心ですねと連れ合いはさっさと先に行ってしまった。
私は土手の夜の花と空の月をカシャカシャ、、、。

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 遠くから、“火の用心、火の用心〜〜〜”と拍子木の音が聞こえてきた。
あらめずらしや、、、、三栄町とかもっと奥の方では聞こえてきたことがあるが、
中学校のすぐ裏なのに、、、。近づいてきたが逆光で人の顔は見えなかったので、
“ご苦労様〜〜〜お若い方ですか〜〜〜?”と声をかけた。
“はい、四谷の若者三人ですよ〜〜〜”
近くなって、“あ〜〜らオジサン達ではないですか! すみません、こちらもオバサンですが〜〜〜”

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 トートバックの中には、シャトー・ドゥ・ピゼイが一本まだはいっていた。
“寒い夜にご苦労様です〜〜〜。世界一美味しいボージョレヌーヴォーですよ。
お帰りになって皆様でどうぞ〜〜〜。
私は酔うとますます気前が良くなる、、、。
(そういえば何年か前には、お寿司屋さんでお隣になった素敵な女性にブローチを褒められて、
さしあげてしまったこともある、バカだ!)

 子供の頃には、火の用心さんが廻ってくると、おばあちゃんはお茶やオチャケを入れたり、
時にはおひねりを包んだりしていましたし、町内にはなかった消防団の寄り合い所をおじいちゃんが
寄付したりでしたので、火の用心さんにはなんだか親近感があるのでしょう。

どうやら新宿区議会と町内会の方のようで、陽気に立ち話をして別れ際に、
“区議さんだったら何人か存じ上げてます〜〜〜Aさんとかオグラさんとか〜〜〜”
“私がオグラです、、、” “え〜〜?”
近づいてみると確かに彼!
“失礼いたしました〜〜〜少し酔ってまして〜〜〜”
(私は少し酔うととっても陽気になってしまうのです)
彼も気がついて、“あ〜〜麻布の先輩のKさんの奥様ですね、、、”
“はい、、、すみません〜〜〜”
平身低頭して三人を見送ったのでした。

別に変な風に酔っているわけではなく、気持ちよく月夜の晩に帰路についているのですが、
日本ではまだまだ(世界中そうかもしれませんが)女性がほろ酔いで歩くのはご法度なのです!

あ〜〜大変、明日あたりは男衆の井戸端会議で噂話になってしまうのでしょう。
人混みもスリも怖いし、火の用心も怖くなりました。
嗚呼!

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(左がオグラさん、中は大通りのカフェのお兄さん! 私が学生の頃からあるRという喫茶店)



by pretty-bacchus | 2015-12-28 23:58 | ♡Daily life日々の事など | Trackback | Comments(2)
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Commented by kurabusobae at 2015-12-30 09:48
幼なじみの夜の町巡りで「火の用心」というのは
さすが、都会ならではの、すばらしい小話です!!!!
Commented by pretty-bacchus at 2015-12-31 01:15
kurabusobaeさん、こんばんは。
都会でこういう風習が残っているのはほんとうに嬉しいことですね。


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