イタリア文化会館で「文学の町、トリエステ」の講演にでかけました
2014年4月24日 木曜日 晴れ イタリア文化会館

 夕方の街に出た。そろそろ会社帰りの人たちが見える四谷駅。

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 イタリア文化会館で行われたリッカルド・チェパック Riccardo Cepachの
「文学の町、トリエステ」の講演にでかけた。
千鳥ヶ淵から近いあの赤煉瓦色の建物。夕闇に赤が冴えていた。

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 地下二階のホールは満席で六時半の少し時間前についたのに一番後ろの席しかなかった。
百席ほどかしら? ほとんどが中年以上のような方々でイタリア人も沢山いたのは、
この都市の魅力なのかそれとも今日の講師故なのか?

 イタリア文化会館のメールの案内によると
<トリエステは世界に知られた文学の町のひとつです。人口20万人規模の町で、文学に関わる重要な
できごとがこのように多く集中してきた町は、トリエステをおいて他にはありません。
I.スヴェーヴォやU.サバが生まれ、ジョイスやR.F.バートン、スタンダール、I.アンドリッチなど
多くの作家がこの地で暮らしました。今日でも、トリエステを拠点に活動しているイタリア内外の
重要な作家が10人程おり、B.パオールやC.マグリスといったノーベル文学賞候補者もいます>
<本講演では、ズヴェーヴォ博物館およびジョイス博物館のキュレーターのリッカルド・チェパック氏が
文学の町トリエステをテーマに語り、独特な、しかしまだ十分には知られていない
この町の文化史をたどります。(日伊逐次通訳付)>

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 でも私たち日本人には、トリエステといえばやはり須賀敦子さんの「トリエステの坂道」。
「ミラノ 霧の風景」などの後に書かれた珠玉の名作。
須賀さんがイタリア人の亡き夫ジュゼッペ・リッカとともに愛してやまなかった
詩人ウンベルト・サバの軌跡をたどって街を逍遙する切ないセンチメンタル・ジャーニーの作品。
良家の子女がカトリック系の学校に通い、故国日本を離れて暮したフランスの後のイタリアでであった
環境の違った家族を持つ夫との(「コルシア書店の仲間たち」)それほど長くない結婚生活を
振り返る魂の旅もよう。
ローマ時代からの繁栄の栄枯盛衰を引きづりながらのトリエステの街の情景を淡々とつづっている。
その地にどうしても行かねばならなかったのは、残された彼女が乗り越えなければならない
再出発の旅であったのだ。

 少しトリエステをネットで勉強してみた。

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トリエステTrieste は、イタリア共和国北東部にある都市で、その周辺地域を含む人口約20万人のコムーネ。
フリウリ=ヴェネツィア・ジュリア州の州都であり、トリエステ自治県の県都。
アドリア海に面した港湾都市で、スロベニアとの国境に位置している。
(この地方がヴェネツィア・ジュリアと呼ばれるのは、ジュリアス・シーザーの覇権が
およんだ土地をさすからだという)
(地図はウィキペディアより)

 西ローマ帝国滅亡後、トリエステは東ローマ帝国の軍事中心地のまま残った。
788年伯爵位を持つ司教の宗主下でフランク王国の一部となった。
神聖ローマ皇帝カール六世によってオーストリア領内における自由港とされ、
1719年から1891年7月1日まで自由港のままであった。カール六世の後継マリア・テレジア時代は、
トリエステの繁栄時代の幕開けとなった。
ナポレオン戦争中の1797年、1805年、1809年、3度に渡ってフランス帝国軍に占領されている。

 中世以来オーストリア領となり、地中海に面した軍港として栄え、
十八世紀から十九世紀二十世紀にかけては商港として繁栄の頂点をきわめた。
第一次世界大戦までは長らくオーストリア=ハンガリー帝国の統治下にあり、
その重要都市として繁栄した。
第一次世界大戦後にイタリア王国領となるが、第二次世界大戦後はイタリアとユーゴスラビアとの間で
帰属をめぐる紛争が生じ、一時期は国際連合管理下の「トリエステ自由地域」が置かれていた。
>>オーストリアによる統治>>イタリア王国による併合
>>第二次世界大戦とユーゴスラビアによる占領、そして>>イタリア返還。
1954年に取り交わされたロンドン覚書 によって、トリエステ自由地域は解消され
イタリアとユーゴスラビアによって分割されたのだという。

 なんともすさまじい歴史をもっている街だろうか!
イタリアの二十の県のそのほとんどを何度も訪ねているのに、この街にはまだ行ったことがない。
近い将来ぜひ訪ねてみたいものだ。

 講義は、スライドで街を歩くような感じで、十九世紀から二十世紀までのあいだに
キラ星の如くに活躍した文学者達の住んだ館やストーリーをお話しくださった。

 八時少しまえに終わって少しあるいて九段の大川やさんへ。
数日前に予約をしておいたので、ゆっくりしたお席で久しぶりの大川さんのお蕎麦を楽しむことができた。
静かになった帰り際に少し彼とお料理のこととか昔のことをお話しして、、、
“お互いに歳をとりましたね、、、、”

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 次々にいただいてしまってお料理の写真は写さずじまい。
前回のを見てください。2014年3月4日 火曜日 晴れたり曇ったり
http://keico.exblog.jp/19535433/
久しぶりの大川やさんでお蕎麦の舌鼓

(その他のお料理や大川やさんでの岸部眞明さんのソロライブなどは上のブログ内から飛んでいけます)




by pretty-bacchus | 2014-04-24 23:58 | ☆Books本の虫,講演,講習会など | Trackback | Comments(9)
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Commented by k7003 at 2014-04-25 22:49
ボクをイタリアに誘った文章はまさに須賀敦子さんの
「トリエステの坂道」でした。そして、その地を自分で歩くことを、なにかしら、将来にリザーヴしている町でもあるのです。アルベロベッロとともに。
Commented by pretty-bacchus at 2014-04-25 23:32
NK先生、さっそくにコメントをありがとうございました。
須賀敦子さんは随筆家・イタリア文学者でしたが翻訳家としても良いお仕事を残されていますね。
不思議な
『ヴェネツィアの宿』『ユルスナールの靴』もそして『霧のむこうに住みたい』もよかったですね!

アルベロベッロは数時間で歩ききれますが、トリエステには数日滞在したいような感じです。

Commented at 2014-04-26 01:59
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by pretty-bacchus at 2014-04-26 03:33
鍵コメントさま、泣いて馬謖を斬るでしょうか!
でもそれで正解でしょうね。私も同じ事を考えていますが、さてどうなりますか?

Commented by 郁子 at 2014-04-26 13:50 x
敬子さん、今ブログを訪問してびっくり、トリエステが話題とは!
昔はイタリア学会やイタリア文化会館の会員でしたので、情報誌が送られてきたり、何かとイタリアに近かったのですが、退会した今は受身の情報は得られずじまいなんです。
今も時折貴重な講演会を催しているのですね。さすがは敬子さん、出席なさって、ブログでなり、お話が聞けて嬉しい限りです。
何十回とイタリアに行っているのに、トリエステは望みつつも果たせていないのです。ツアーでゆくので、一般向きでないのか、トリエステに宿泊するツアーは殆どないのです。
須賀さんの作品を読み、またそれを映像化したドキュメンタリーをテレビで見て、憧れは膨らむ一方ですが、恐らくもう無理だと思うと悲しい。
ヴェネツィアからも近いのに、何故か遠いトリエステ。テレビで見た静かな坂の町のイメージが心に焼き付いています。
敬子さんの紹介で憧れは更に永遠化されました。
Commented by pretty-bacchus at 2014-04-26 18:29
そうですね、私も何十回も行っているのに、ほんとヴェネツィアからも近いのに、トリエステってなぜか行かれていないのです。
昨日の講演は、私より郁子さんのほうがより愉しめたかもしれないと思います。
知らない名前の文学者のことが何度もでてきていましたが、ペンをおとしてしまってメモがとれていませんでしたのでお伝えできなくて残念です。
Commented by nontan91 at 2014-04-26 20:30
トリエステってこんなところにあったのですか!
地図を載っけておいていただいて助かりました。
まったくどこにあるのか考えてもみなかったです。
よさそうなところですよね、次にいくところの候補地が増えました。
ただ、ツアーコースからははずれていますから、自分でいくしかなさそうですね。
Commented by pretty-bacchus at 2014-04-27 01:06
ノンタンさん、歴史の渦に巻き込まれている軍港が
こんなところにあるのですね。
ヴェニスからあまり遠くないようですので、今まで私も
機会をのがしています。
次の旅の夢があるというのは幸せですね!

Commented by Chaussure at 2014-06-13 04:26 x
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