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山崎豊子さんのご冥福をお祈りします
2013年10月2日 水曜日 雨 午後風強く後晴れ

 夜半から雨の音。
西日本では十月で三十度以上を越えた真夏日だったようで、異常気象だ。

 山崎豊子さんが亡くなった。享年八十八歳。
偉大な作家だった。
大学病院や医学部を書いた「白い巨塔」銀行を舞台に政財界の人間模様を描いた「華麗なる一族」
中国残留孤児の「大地の子」、そして七十歳をすぎてからの、航空会社を舞台に逆境に立ち向かう
サラリーマン達の姿を描いた「沈まぬ太陽」、さらに八十をすぎての外務省の機密漏えい問題を題材にした
「運命の人」など、いずれも綿密な調査と取材により書かれた社会派の長編小説で読者を魅了してきた。
<沈まぬ太陽>ではモデルといわれるJALのO氏にはあったことがある。
内情を少し知っていただけにフィクションではない小説に心打たれた。

 週刊新潮に先週号から新しい作品「約束の海」を書き始めたばかりだったのに遺作となってしまった。
「もし私に万一があっても、連載は中断しないでもらいたい」とのことだったようで、
最後までペンを離さず、身を削るように原稿用紙に向い酷暑の日々を越えたが、
体調を崩して入院なさっていらしたようだ。

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 デビューから五十六年だったようで、常に熱い取材に身を置き書き続けられたようだ。ノンフィクション作家は他にも多々いるが、彼女の作品はその取材の緻密さと、
心の底に響いた世界を書くという作家の燃える情熱が抜きんでていて読者の心をゆさぶったのだろう。
心よりご冥福をお祈りします。

 「約束の海」は太平洋戦争で「捕虜第一号」となった元軍人の生涯を書き始めたようで二十回まで書き終わっているそうで、あと十八週をじっくりと秋の夜長にたのしむことにしよう。

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(自然界の時も動いていて、、、夏の花も終わり逝き、、、)




by pretty-bacchus | 2013-10-02 23:59 | ♥Person父母,師友人,人生の宝物 | Trackback | Comments(2)
Commented by k7003 at 2013-10-05 04:30
「二つの祖国」について、まさにそのキャンプで少年時代を送った日系2世の大学教授との親交があるだけに、感慨ひとしおです。ご冥福を祈るや切です。
Commented by pretty-bacchus at 2013-10-05 10:04
k7003さん、絶筆になった作品は、「二つの祖国」にも少し出てくる方なのだそうです。
どうしても書きたいと思った方だそうで、本当に残念でしたね、、、。
惜しい方が逝ってしまいました、、、。

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