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<アルスシムラ>十三週目になりました
2013年7月17日 水曜日 晴れ その一

 <アルスシムラ>もあと残すところ二日と最後の合評日。
24日までに終えて、まとめて湯のしやさんにだすことになったので、75センチを六枚の予定を変えて、
四枚同じパターンを織り終わった処で方針を変えた。
二十色を五本の樋で織っていくのは時間がかかりすぎて、もし終わらないといけないので、
苦肉の策で五枚目は別の、もっと糸を変える必要のない(樋を変える必要のない)感じで織ろうと考えた。

一枚目の慣れない線入りの75センチは経帷子用に、二枚目と三枚目は前身頃、四枚目を二枚に切って、
その間にもっと単色を順々に織ったシンプルな75センチを織って後ろ身頃の真ん中に
10センチ位いれることにしよう。
残った布は前身頃があわさる部分に襟の感じで3~4センチ位でずっと下まで流すと、
縦の流れのポイントになって良いのでは、、、。
今までの織りと色が喧嘩しないように、下から濃い色ではじめて胸のあたりで明るい桜色と蘇芳をまとめ、
肩から上は空の感じで藍色と白い雲。
糸が充分にある色から選んで試行錯誤で色合いを考えた。

下から媒染の異なるグレーのさくら、カラスノエンドウ、冬青、鉄観音、しろつめ草、媒染ちがいの
桜色のさくら、燃えるような赤の蘇芳を媒染違いで三色、そして光を黄色の山梔子で、その上は、
ふくみ先生が<海よりも深い藍>とおっしゃる藍で空の青を。
どこかに先生が染めの原点とおっしゃる茜も入れておきたいな。

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<アルスシムラ>十三週目になりました_a0031363_20167100.jpg (四枚目六十八センチ)

<アルスシムラ>十三週目になりました_a0031363_20175285.jpg (七十センチ、あとは中に入る部分なので、糸の量がある桜を二色で、、、)

 先週は四枚目の五十センチまでだったので、今日は最後まで下り終えて、五枚目を織り始めた。
濃い色からグレー系茶系などを、ツートントン、ツートントン、、、おもしろいようにリズミカルに織り進める。
 次は自分たちで染めたカラスノエンドウの緑系をツートントン、ツートントン、樋を変える必要がないので、どんどん織りの長さが長くなって、右の金具を回し千切りに布を巻いていく回数が増える。
織れた布もなめらかでとてもきれい!
Sさんからいただいたあじさいの薄い緑もいれてツートントン、ツートントン。
桜から蘇芳に移ってツートントン、ツートントン。

<アルスシムラ>十三週目になりました_a0031363_20204184.jpg  (さるすべり、冬青、あっというまに五枚目の十七センチまで、、、)

<アルスシムラ>十三週目になりました_a0031363_2024912.jpg  (いただいたつなぎ糸の後に、カラスノエンドウ、よもぎと二十四センチ)

<アルスシムラ>十三週目になりました_a0031363_20255664.jpg  (空になった小管にさようなら、、、、、)

<アルスシムラ>十三週目になりました_a0031363_20343174.jpg  (茶、カラス、よもぎ、鉄観音、冬青と三十センチまで、、)

 織れる長さは四メートル少しというから、これが最後となるだろうと思うと、
ああ、もうこれが最後の糸なのかしら、、、小管に残った染め糸をそっとなでてみる。
胸が一杯になって、予定が変わってもその糸の最後まで、色が終わるまで同じ色をその糸の最後まで
どんどん織ってしまっている。
終わってしまう最後のツートントンの時に、そっとサヨウナラとささやいている。
いろいろの思いがまわっている。
本当によく頑張ったと感無量。

 志村ふくみ先生が五十年をかけて築き上げた<しむらのいろ>の染めと織りの課程を、
四ヶ月で会得できるわけではないのはあたりまえだが、こうして桜のお染めから始めて、
整経、織機への設置、織りと、基本課程を経験できたことはほんとうに幸せだった。
今あらためて先生の今までのお作品を思い出してみると、それぞれのご苦労が今まで以上にわかるような
気がしている。
落ち着いたら、作品集のお作品を一つ一つ見直してみたい、、、。

 そんな気持ちを、ふくみ先生がお帰り際に少しお話しすることができた。
先生はお作品が織り終わるころに蛍の光が流れるようなことがあると、
あのお優しい笑い声でお話しになってらした。
そうなのですね、、、。

そしてとってもとっても嬉しいことをおっしゃってくださった。
(それは内緒!)

<アルスシムラ>十三週目になりました_a0031363_203799.jpg (あじさいの後に緑を少し入れて、、、、桜まで四十二センチ)

<アルスシムラ>十三週目になりました_a0031363_20415846.jpg (なかなか渋い色合いで、、、、きれいに織れていますね)

 時間になったので、四十二センチの処でお終いにした。
明日の補習で七十五センチまで終わるだろう。
なんだか少し切なくなっている今日の<アルスシムラ>でした。

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 (どんどん織り終わりになる方が出始めた。AさんもTさんも。
Tさんが織り終わられてご披露。
帯の予定を変えられて、試織りのあとは春夏秋冬の四枚のテーブルクロスを織られたのだ。)


(途中で経糸の整経の授業があった。
全般は先々週終わっているので今日は大管二十本から糸を引き、予科用の十四尺なんぼかを準備するのだ。
二十本を三十八回で760本の糸を綾をつくりながら巻いていき、最後に要所をくくり、
半紙ほどの大きさの板に回していく作業。
綾をとるのは上に十本、下に十本が広がりる糸を左手でぎゅっと持って、
右手の人差し指中指で交互にとって最後に右手中に綾のまま残して台に入れていくのだが、
そのむずかしい右手の作業が、目が悪いので半分心眼でいともたやすくすいすいいってしまって
我ながら驚き!
講師の先生もビックリ、Tさんは“奇蹟だわ〜〜”と。

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 ホテルに帰ると夕陽が笑っていた。
一日の無事に手を合わせて、、、。

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by pretty-bacchus | 2013-07-17 23:58 | ♠Art&美術,詩歌,展覧会,お稽古 | Trackback | Comments(0)
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