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<アルスシムラ第九回目>本織りがはじまりました
2013年6月19日 水曜日 京都は雨

 志村ふくみ<アルスシムラ>の九回目の授業の日。
夜明け時間は変わらないのに暗いくらい午前四時半。
 日の出 04時25分  : 日の入 19時00分
今日あたりの日の入りが一番遅いのに、雨もようでとっても残念。

 <アルスシムラ>の授業は、いよいよ織りが始まって、わたしは多分かなり遅れているような
気がするので、いつもより早くにホテルをでた。
九時少し過ぎ講師の先生はもういらしてらして、小管をさらに一〇本いただいて、
すぐに色糸を五光にかけた。

 最初で最後の試みの<しむらの色>の染めと織りなので、沢山の色をいれた織りをしたいとおもうのが、
どうやら頭でっかちだし、いろいろ制限があってむりかもしれない。でもお教室で染めた三色に加えて、
お仲間達のご協力であと十数色の色が手元にある。
一綛のものと半分のもの、更に四分の一のと、もっと少ない嵯峨の工房からの<しむらの色>があるので、
これをどう振り分けて使ったら良いかが、まず悩みの種。
一綛で何センチぐらい織れるのかも定かではないので、、、。

 これを六枚の布をイメージして同じように織っていき、ジャケットにと思っていたのだが、
すでにそれはあきらめた。
おそらく技術と知識と時間がないだろう。
それならば、ジレーの前と後ろの四枚を織って、あとは時間と色糸が許される範囲で自由に織ってみよう。
おそらくその頃には織ることにも少しは慣れているだろうから、思うにまかせて色糸をいれてみたい。
おもしろいのができたら数寄屋袋とかではなく、MacBookプロ13レティナのカヴァーにしてみても、
いつも手元におけるから愉しいかもしれないが、手垢で汚れてしまうかしら?

 いずれにしてもベースは初日のお染めの佐野藤右衛門さんの桜と、ふくみ先生お手摘みの
嵯峨のからすのえんどと白糸の三色。
経糸が白だから、濃い緯糸をいれてもそれほどあざやかにはならないことがわかったのでさらに試行錯誤。

 ふくみ先生が早くにいらして、しばしのあいだ円座になって先生のお話をうかがうことが出来た。
やはりはじめに全体を考えて色糸もちゃんと考えてということが大事のようだ。
今日ふくみ先生がもっていらした(まだ私たちには配られていないが)藍とかがあると良いのにな。

 小一時間かかってすべての色を小管に一本ずつ用意することが出来たので、
それを少ない色の分と半分の分と一綛の三色にわけた。
デザインを考える参考にとスナップを撮っておいたので、あとでもう少し考えてみよう、、、。

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<アルスシムラ第九回目>本織りがはじまりました_a0031363_1685491.jpg

<アルスシムラ第九回目>本織りがはじまりました_a0031363_1693216.jpg  (一綛ある三色と半分のが六色)


 いよいよ織機へ。
前のTさんは、トントンと良い音がリズミカル、Kさん達はもう数十センチも織っている。
付け帯にする方は試織りをすくなくして、すでに手になる部分から織り始めていて、
手持ちのぼろ糸?などをすっといれてアクセントになさっていて、なんともうらやましい。

 ふくみ先生が皆さんを回ってくださっている。
私は先週の数センチだけで、さあいよいよというときに、先生が、
“見てみましょうね、、、”と椅子にお座りくださり、さくらの樋をすっ〜トントン、
す〜とんとんと何回か繰り返し、緯糸の幅の加減を直してくださった。
“よい機ですね、大丈夫よ!”とお優しい眼差し。 

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(先週はここまで、、、)

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 少し慣れ始めたが、樋を二つの綾の糸のあいだを通してとんとんと二度すると、
足もトントンと二度動かしてしまい、そうすると次の樋をいれると元に戻ってしまったり、
ようやくなれてきて二十センチ弱を織る間に経糸が三度切れたりと、なかなかうまくは進まないのは、
人生そのものの感!
あちこちでそんな会話が聞こえている。
五十数年前にふくみ先生が初めて織り始めた頃は、どんな思いでトントン、トントンと
繰り返したのだろうか、、、、。

 織りあがった部分を試織りとしておくのはもったいないと途中から思い、
いろいろな色を入れてみたので愉しい試織りとなった。
桜、白、からすのえんどう、白、百日紅、カラスノエンドウ、白、金木犀、白、くちなし、白、
カラスノエンドウ、シロツメクサ、冬青、白、茶、アメリカふうろ、ヤエムグラ、茜、桜、ヨモギ、と
すでに十一色を使っている。(写真の下から順番に、、、、、、)
あとはたまねぎ二色と、しらがし、鉄観音、蘇芳三色と、Tさんから少しだけわけていただけた
<しむらの藍>がある。

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<アルスシムラ第九回目>本織りがはじまりました_a0031363_16382667.jpg

 午後はいよいよそれぞれのデザインを考えて、細いテープに寸法を書いて、
織り始めのところにまち針で止め、いよいよ本織りの始まり。
一枚七十センチとしたので、この中に多くの色を入れてバランスをとり、かつアンバランスの美を描くのは
至難の業だ。色は少ない方が良いといわれているのだから、これはまさに邪道なのかもしれないのだが、
頭でっかちでいろいろ最初から挑戦して、<しむらのいろ>を<ケイコの思い>で織りなしてみたい。
四十数年前に初めて観たあの赤の作品から、何十回も観て触って着て感じているふくみ先生の
<シムラフクミ>の色を少しだけでも織り込めることに感謝をしながら、、、、、。

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(試織りをこのくらいにして、本織りのテープをセットし終わったのはすでに四時少しまえになっていた)

<アルスシムラ第九回目>本織りがはじまりました_a0031363_1658211.jpg (経糸が切れてしまい、修復をしていただいた)

 大体の色の構成を桜の<天地人>とした。
地から伸びるサクラの木と廻りの緑と光、桜の精がやどって、青い空に花が咲く。
下から大地の土色から(たまねぎ、さるすべり、濃い冬青など)の茶系で地球の土を、
やがて幹がでて枝が張り、そして葉っぱ色の濃い緑系(やえむぐら、ヨモギ、カラスノエンドウ)の後に
光があふれるあたりで山梔子の黄色を色違いで使おう。

ウエストあたりは濃いめの冬青と鉄観音などで締めて、その上は光がふたたびひかって、
いよいよ顔あたりで、ごく少しトーン違いの蘇芳三色と茜を白を土台にアットランダムに細く入れていく。
その上は満開のサクラと薄い散りゆく桜に、最後の上部の方では空の青と白い雲に揺れるとよいのだが、
碧の色はないのだ。

なにしろ沢山使えるのが桜とカラスノエンドウと白で、あとはひとかせの半分とか四分の一、
もっと少ないのが工房からの色とあり、欲張って二〇色もあり、たぶん講師の方は
あきれられていらっしゃることだろう。

<アルスシムラ第九回目>本織りがはじまりました_a0031363_1784889.jpg (一時間後は、、、)

<アルスシムラ第九回目>本織りがはじまりました_a0031363_17344230.jpg (
さらに三十分後には、、、)

 試織りの二〇センチ位のあと、本織りが十五センチほど終わったあたりですでに
六時少し前になってしまって、ここでジエンド!

<アルスシムラ第九回目>本織りがはじまりました_a0031363_1710376.jpg

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<アルスシムラ第九回目>本織りがはじまりました_a0031363_17312279.jpg

(雨の中タクシーを待ちながら、、、、)

 雨で水かさが増した鴨川を渡ってホテルへご帰還?
体中が痛くてベットへバタンキュ〜ー〜〜〜。
しばらく横になっていたが、このまま食事をしないで寝てしまったら、疲れはとれないだろう、、、と、
一人で雨の木屋町を下がって行きつけになったイタリアンへ。
簡単にトマト・バジル・モッツァレラのカプレーゼとパスタをいただいて、
ピッツアと生ハムのおみやげを持って、雨の祇園を友人のお店へ。
静かなカウンターでバローロで乾杯。
疲れがとろけていくような、、、優しいお味!
長い雨の京都の一日でした。

<アルスシムラ第九回目>本織りがはじまりました_a0031363_1732174.jpg

(車窓から八坂神社の朱色が映えている、、、、)



by pretty-bacchus | 2013-06-19 23:59 | ♠Art&美術,詩歌,展覧会,お稽古 | Trackback | Comments(2)
Commented by 婆美以 at 2013-06-24 12:49 x
反物として巻き取られた部分が、、やっとここまで!という思いに胸が打たれます。何と言っても!!十五も二十歳も過ぎての初めての織姫チャレンジ、なのですから❤完成したら愛おしさに鋏が入らないのでは……それとも、もっと織りたくなられるかも!きっと終い頃にはずいぶん上達なさっていると思います。
毎回拝見するのをとってもたのしみにしています。
Commented by pretty-bacchus at 2013-06-25 02:27
婆美以さん、ありがとうございます。
まだまだおたおたしていますし、色を欲張りすぎて樋を換える手間が大変です。
あと五回しかありませんからはたして終わるかどうかがあやぶまれます。
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