日記から
2001年10月28日日曜日午前9時32分

お早うございます。
日曜にお邪魔します。
凄まじかった新ワインリストの一ヶ月が終わり、リブランシーがキャンセルになって、ほっと一息ついたのでしょうか?? 昨日から本格的な風邪のようです。のどが痛いし、熱っぽいし、、、
しかし、土曜日は友人の水谷八重子さんの朗読会で、泉鏡花の滝の白糸、『義血侠血』を聴いてきました。

彼女は数年前から朗読を始めていて、瀬戸内源氏に続き、新潮社からCDを出した、滝の白糸です。今回は芸術祭参加作品で、先代八重子さんとご縁があった芝の増上寺の本堂で行われました。天井が高い広い本堂に280の椅子が置かれ、仏様を後ろに、水芸の舞台が緋色の毛氈の机で表されて、後は照明と、お香の香りだけという舞台。彼女自身の芸に対する情熱で、朗読というより音楽のないオペラを鑑賞しているようでした。

読経をバックにご住職と共にご本尊にご拝顔の後、静かに中央に進み、ご住職からお数珠を渡されて最後までそれを携えながらの朗読。
章の変わり目に、左右前方に置かれた椅子に移り腰をおろす、、、何気なく、置かれていたお茶を口にする、、、。
手に持っている原稿の表紙は色違いの和紙で、数回色が微妙に変わり、、、それを、ハラリと落とす、、、。などなど、素晴らしい演出でした。

全般は、深い緑色の縦縞の着物に、上品なページュ色の有職の帯。後半は黒に僅かな深い赤の細いラインが入ったお召し物。どちらも志村ふくみさんのお作品を、サラリと着て、あとは白足袋。それが、半襟の白とともに、磨き抜かれた本堂の内陣の木の床に映り、そのまま奈落の底に引きずられるのではないかと、、、、思うようでした。舞台とは違う足の芸!(後で本人に話したところ、つるつる滑って危なっかしくて、、、突っ張ったりと言っていましたが、それが観衆には演技と見えたのです!!)

20分の休憩を挟んだ2時間という時間ですのに聴衆は静かに聞きほれていました。
いつもの新派の舞台は女性が多いですので、今日は年輩の男性が多かったのは、文化庁から芸術祭参加の審査員が沢山いらしていたからかもしれません。

泉鏡花の原作は昔読んでいますが、読書とも、お芝居とも違う、言語の美しさには、
圧倒されました。今の私たちが忘れてしまいそうな日本語の響きを耳にすることの悦びを感じました。
村越欣弥に送金を続ける為に思わず殺人を起こしてしまった白糸。三年ぶりの再会はなんと、学問を終えて検事となった彼の初法廷。検事と白糸のやりとりの場面では、八重子の体が前後に揺れて、その迫力に手に汗をしました。お芝居の後ろ姿の芸とは又違った名演技! 演舞場でしたら,「ミズタニ〜〜〜〜!」と、声がかかるかもしれませんが、本道は静まりかえっています。純粋さを貫くために死を選んだ男と女。
人間にとって最も大切なことは恥を知ること。人をだましての栄華は最も卑しむべき事という鏡花の思想と、人間の潔さという美学は、見事に朗読で表現されていました。

無理を押して出かけて良かった! 次回にはお誘いしましょうね!

今日は、暗い日曜日です。大祐さんのエグモントをBGMにこのメールを書いています。
明日からは又超急がしの一週間でしょう。
スケジュールがめちゃくちゃの私を助けて下さるお二人には感謝です。
ps。
下記は、セイワの翻訳顧問??の原滋さんの新国立劇場のこけら落としのアイーダに助演参加した際の、出演メモの個人HPです。ゼッフィレッリ演出の素晴らしい舞台のアイーダでした。ご覧になりましたか???
彼は、エールフランスのパリ主席駐在員、タヒチ空港長などを歴任しながら、最後まで管理職になるのを固持した珍しい人で(私の入社時の厳しい上役でしたの!)、定年退職後は、オペラ、音楽三昧の日々を送っている人です。うらやましい限りで、わたくしもはやくそうしたいと思っていますのに、ママなりません、、、。
今日はこれからS会長のお供です。
 そして最後の晩餐。高木町スカイパークで、
会長ご持参の、マグロ、甘エビ、取り立てキノコ、クレソン、ムルソーペリエールで乾杯・感無量なり。

2001年10月30日火」曜日 曇り

2001年10月31日金曜日
by pretty-bacchus | 2001-10-30 23:28 | ♬Theaterオペラ演劇スポーツ | Trackback | Comments(0)
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