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アルゴにて<100年の時をさかのぼる美食の航海へ>
平成24年5月4日(金) 晴れたり曇ったりアルゴにて<100年の時をさかのぼる美食の航海へ>_a0031363_21252852.gif

 ゴールデンウィークの中日、静かな東京にツツジがいっぱいに咲いている。
〝百周年になりまして、その頃のフランス料理の再現をしたいと思っているのでが、、、。
フレンチレストランアルゴのFオーナーからお話をうかがったのが数ヶ月前。
〝パリの友人にいろいろ聞いてみましょう、、、
と、お約束したのに、何もお手伝い出来ないでいる間に、企画はどんどん進められて、五月の三日間だけの
<アニバーサリー ディナー>の日がやってきた。

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 半蔵門の<One Four Two 半蔵門 東條會館 東條写真スタジオ フレンチレストラン>は、レストラン、
ライブラリーカフェ、美容サロン、フォトスタジオを揃えたプライベート・クラブのような空間。
その前身は<東條会館>として長い間親しまれていた。

創業者東條卯作氏が麹町に写真館を開業したのは明治45年(大正元年)1912年のことで、
今日まで東條写真館は100年の歴史を刻み続けている。
大正天皇の大葬・昭和天皇即位の公式写真をはじめ、歴代の総理大臣、ライシャワー駐日大使、
自決当日の三島由紀夫、英国皇太子ご夫妻などの肖像写真など数多くの歴史が刻まれているという。
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(アルゴの頁から拝借しました)


 十数年前に改築が行われて、フォトスタジオが十階に、九階にフレンチレストラン&ライブラリーカフェが、
ギリシャ神話の古代船「ARGO」としてオープンした。
そのARGOで、東條會館創立100周年を記念してゴールデンウィーク3日間だけ、
100年前のフランス料理をテーマにした特別ディナーが供された。
なずけて<100年の時をさかのぼる美食の航海へ>
私たちのテーブルは四人。
Sさん、Kさん、Kちゃんと私。
十三夜の月が真っ暗な皇居の森の向こうから昇ってきている午後7時に始まった。

アルゴにて<100年の時をさかのぼる美食の航海へ>_a0031363_23341647.jpg(フレンチレストラン アルゴのフロント)

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 シャンパン ペリエジュエ グランブリュット~Perrier-Jouët Grand Brutがお祝いとしてまず乾杯!
(私たちのテーブルは、その後で、ローノワの銘酒の1990年があけられた。
臈長けはじめたシャンパン特有の香りと味に杯はすすんだ)

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 エグゼクティブシェフ山下さんが周到に準備した数々の皿。
まずは、19世紀オーギュスト・エスコフィエと双璧と謳われたアンリ・ポール・ペラプラのレシピでのオードブル。
ル・コルドンブルー・パリの初代料理長として数々のレシピを後世へ残した人であり、
今東京のル・コルドンブルーで学んでいるKさんは大喜び。
彼女はこの夜のために何冊ものフランス料理の歴史書を読んだという。

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次は、
Œufs mollets en gelée au jambon de Parme
~卵と生ハムのコンソメゼリー寄せ トリュフの香り~
(写真は後で、、、、、)



Filet de Sole Duglere
~舌平目のデュグレレ風~
伝説の料理人アントナン・カレームの弟子で〈料理界のモーツァルト〉こと
アドルフ・デュグレレ(1805-1884)の最高傑作。
タイタニック号の一等レストランの豪華ディナーを彩った牛肉料理の銘品、

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舌安めは、Punch Rosé~パンチロゼ~
同じく1912年、タイタニック号の一等レストランのディナーに提供された、バラ水とミントをつかったシャーベット。

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アルゴにて<100年の時をさかのぼる美食の航海へ>_a0031363_1182616.jpg (このあたりで二種類の赤が開けられた。)


Poulet Sauté à la Marengo~鶏肉のマレンゴ風~
ナポレオンの専属料理人であったデュナンによって生み出された料理。
1800年6月14日マレンゴにてナポレオンがオーストリア軍を破った戦いの夜に食したとされ、
その後もナポレオンが生涯に渡りシャンベルタンと共に愛した古典料理の銘品。
その後アンリ・ポール・ペラプラやオーギュスト・エスコフィエなどが、大切に受け継いできた。

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 メインの最後は、1800年のマレンゴの戦いの折にナポレオンの専属料理人であったデュナンによって生み出された料理が受け継がれての逸品!
Tournedos aux morilles~トゥールヌドの編み笠茸添え~
1912年、ピエール・ルソーにより、タイタニック号の一等レストランの豪華ディナーを彩った牛肉料理の銘品。

アルゴにて<100年の時をさかのぼる美食の航海へ>_a0031363_1220100.jpg(本来はザリガニを使うが、今回は天使の海老を使用されていた)


デザートは、ヴァシュラン~Vacherin Glace
19世紀のパリで人気を集めた出張料理人、ギュスターヴ・ガルランが1887年に生みだしたデザートの傑作。
たちまち大評判となり、数多くの料理人たちがこぞって真似をしたそうです。

 食後のお酒は、幻のコニャックで、
ランブロワジーセレクションスペシャルのA.E.D'OR。
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 山下シェフはフランスの三つ星でも仕事の経験が多く、今夜は、彼が得意とするモダンフレンチを封印して、
クラシックな王道のメニューの数々が見事に現代に甦らせていた。

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 (マネージャーの米田さんにうかがってメニューをMore>>でご紹介しておきます)


 美味で貴重な体験をさせていただいた一夜でした。
月が天空にあり雲に揺れて、千鳥足での帰宅となりました。

 Fさん、百周年おめでとうございました。
シェフ&スタッフの皆様、ありがとうございました。
ますますのご発展をお祈りいたします。

アルゴにて<100年の時をさかのぼる美食の航海へ>_a0031363_1263351.jpg  (明日は「スーパームーン」ですが、今夜は十四夜)


 おしゃれな黒い袋に入ったおみやげは、特製のお紅茶で、スリランカのウヴァ高原の樹齢百年の樹からとれた紅茶と、かわいいプティガトー。

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 アルゴいろいろ、、、
山下シェフのモダンメニューのいろいろは下記で、、、

http://keico.exblog.jp/15044760/
平成24年4月11日(水) 晴れのち曇り、夕方少し雨
神田川桜逍遙と六義園、そして市ヶ谷の桜

http://keico.exblog.jp/14879805/
平成24年3月16日(金) 曇り
マリオンのからくり時計 & アルゴのお料理

http://keico.exblog.jp/13771252/
2011年10月7日 金曜日
忘れられない日となりました。

http://keico.exblog.jp/12557610/
2011年5月10日 火曜日 曇りのち雨、、、、
若いカップルと初夏の一時を空中レストランで

http://keico.exblog.jp/12473298/
2011年4月23日 土曜日 雨のち曇り
春の宵語るは巴里の今むかし

http://keico.exblog.jp/12319598/
2011年3月24日 木曜日
地震へのチャリティオークションーディナーとフランス

http://keico.exblog.jp/11358411/
2010年9月29日 水曜日 曇り
<ペリエジュエ>皇居の森に月踊り

http://keico.exblog.jp/11055316/
2010年7月28日 水曜日 晴れ 暑い
炎昼やくらくら度増す二日酔い

http://keico.exblog.jp/10996778/
2010年7月17日 土曜日 晴れ
木の枝のはるかに夏の雲湧きて

http://keico.exblog.jp/10607581/
2010年5月13日 木曜日 晴れ
深淵のお堀の森と夜景もご馳走

http://keico.exblog.jp/10339701/
2010年4月2日 金曜日 曇り
花曇り天も地も満ち散るもなく









More>>メニューの詳細は
by pretty-bacchus | 2012-05-04 23:59 | ♥Wine & Dineワイン&食事 | Trackback | Comments(6)
Commented by 郁子 at 2012-05-07 11:52 x
豪勢なモニュメンタル料理、和食でなくても眼で楽しめますね。
それにお料理に合ったワインーワイングラスが色々並んでいる景色がいいし、アルゴというレストラン&料理、トータルで雰囲気が素敵です。
そして更に注目したのは最後の月の一枚。この夜は14日月?
勿論ご存知でしょうし、翌5日のブログを待つべきかもしれませんが、5日の夜の月は「スーパームーン」でした。
その日の夕刻、用事で出かけた四谷の空に出たそれは大きなスーパームーンを深い感懐で眺めたのでした。
カメラを持ってなかったので,撮れませんでしたが、敬子さんのカメラと腕でこの低い位置のスーパームーンを撮って頂けたらなぁと・・・ずっと思っていたのです。帰宅したのは8時半近かったので、窓から見る月は、もうそれ程驚く大きさではなくなっていました。
お貸し頂いている「ナショナルジオグラフィック」5月3日号(?)にスーパームーンの記事が出ているとか、ネットで見ましたので、余計期待が高まっています。どうぞ「乞う、ご期待!」になりますように!

朧月ならでスーパームーンかな
Commented by S at 2012-05-07 14:06 x
敬子様
先日のブログではリサイタ日のお天気をお心に掛けて下さってどありがとうございました。
此のようなクラシックなお料理であるほど好みなものですから、とても楽しく読ませて頂きました^^!
今丁度、1894年に書かれたクラシックなお料理についての本を読んでいるんですヨ^^!
此の写真の本デス^^ http://livedoor.blogimg.jp/lasalledeconcert/imgs/0/9/098d720c.gif
ピエモンテ・マレンゴ風お料理はオーストリアを破った夜でしたね。材料が揃わず付近の川のザリガニを流用したお話がありましたネ・・・
歴史にまつわるお料理のクリエイトや変遷はとっても興味深いですネ♪
Commented by pretty-bacchus at 2012-05-07 22:39
郁子さん、コメントをありがとうございました。
ここについては何度か書いていますが、一度昼間にライブラリーカフェにでも行ってみてくださいね。
コーヒーだけでも大丈夫です。

スーパームーンは本当に大きかったですが、結局良い写真は撮れませんでした。
三脚をたててじっくり撮ることをあまりしませんので、無理なのですね、、、。
すてきな句をありがとうございました。

Commented by pretty-bacchus at 2012-05-07 22:44
さくらさん、このマレンゴの戦いの折りのお料理の逸話はおもしろいですね。そしてシャンベルタンのお話も!
料理の歴史は時にはその国の文化の歴史であり、興味は尽きませんね。

Commented by 四谷おやじ at 2012-05-09 10:48 x
東條会館もう百年も、はやいものですね。しかし百年の料理すばらしいものですね。食べたい物ですね。
Commented by pretty-bacchus at 2012-05-09 16:52
四谷おやじさん、いつもありがとうございます。
次回はお誘いいたしましょうね、、、、

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