「懈怠比丘不期明日(懈怠の比丘明日を期せず)」
2011年6月14日 火曜日 曇り

「懈怠比丘不期明日(懈怠の比丘明日を期せず)」
(げたいのびくみょうにちをきせず)

 母からの連絡に気づかずにいた。
近くにきていたようなのに、あうことが出来ずになんとも残念。

なんだか今一つ体が本調子でないから、ちょっと辛いと横になってしまっていて
電話に気がつかなかったのがくやまれる。

 先週も新幹線の中から母の電話が入っていたので、どうしたのだろうと瞬間心配になったのだが、
そうではなかった。
なんと、お仲間の方と京都へ出かけて、お家元の行事に参加してきたという。
91才のおばあさんがすることか!
もう驚いたのなんのって、そしてそのあとに来るのは、娘の私はなんとだらしがないことかということだ。

 “あと4〜5年でしょうね”と母が言い始めてもう数年たつ。
“東京での最期のお茶会でしょうね、、、と、言って数年前に護国寺でお席を持った時に、
あの表千家の啐啄斎 のお軸の横一行を掛けた。

「懈怠比丘不期明日(懈怠の比丘明日を期せず)」
(げたいのびくみょうにちをきせず)
をかけたのも考えると、考えることあってのことだったろう。

大徳寺の清厳和尚と千宗旦とのこの言葉の由来が語り伝えられている由緒ある言葉を、
八代目の啐啄斎が書いた一行物だ。

 江戸時代の茶人千宗旦(利休の孫)は、新築した茶室の命名を大徳寺の清厳和尚に頼もうと思い、
和尚を招待した。ところが約束した時間に和尚が来ず、宗旦は別の急用のために出かけてしまった。
弟子に「和尚がお見えになったら、明日もう一度お越しいただくようお願い申し上げて」と言い残して、、、
まもなくやって来た和尚は、宗旦の伝言を聞き、茶室の腰張りに
「懈怠比丘不期明日」と書き残して帰っていった。

「遅刻するような怠け者の僧であるわたしは、明日のことはお約束しかねます」という意味の、、、。
帰宅してこれを見た宗旦は、一寸先はわからぬ人生に、明日の約束を求めた自分を反省し、
直ちに大徳寺を訪ね、自作の歌を呈した。
<今日今日といいてその日を暮しぬる 明日のいのちはとにもかくにも>
明日のいのちもわからないのに、大切な「今日」をおろそかに暮らしているのは愚かなことでしたという
反省と、和尚の教訓への感謝をこめた歌。

 昨日は永遠に去り、明日は永遠の未来だ。
それなのに、今日も母にあうことが出来なかった。
悔やんでばかりの最近の私は、ほんとうに情けない、なさけない、、、、、、、。

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      (2007年88歳の母は、静かに穏やかだった。)

(この時の写真は、まだ現像していないのが沢山あるのに、保存した外付けハードディスクが
壊れてしまって、死蔵のまま、、、なんとかしなければ、、)

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
http://keico.exblog.jp/6271938/
2007年10月6日 土曜日 晴れ
秋茶会 命の限りか 母静か

http://keico.exblog.jp/6277121
2007年10月7日 日曜日 晴れ
護国寺での母の秋のお茶会のつづき、、、
by pretty-bacchus | 2011-06-14 23:59 | ♥Person父母,師友人,人生の宝物 | Trackback | Comments(4)
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Commented by おばさま@札幌 at 2011-06-16 05:22 x
お母様にお会いするチャンスを2度も逸して残念でしたね。
それに比べて91歳の母と同居できる己の幸せを感じます。

お母様の見事な生き方、本当にご立派ですね。
素晴らしいお母様をお持ちになってお幸せなことです。

季節の変わり目、何かと不調なときです。
お大事になさってください。

私は今母と札幌に遊びに来ています。
明日は弟の運転で帯広にある紫竹ガーデンを見に行く予定です。
花好きの母がきっと喜んでくれることでしょう。
Commented by pretty-bacchus at 2011-06-17 23:13
おばさま@札幌さま、ありがとうございます。
ゆうこさんのお母上もお元気で、貴女がいつもそばにいらしてお喜びでしょうね、

Commented at 2015-11-22 12:43 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by pretty-bacchus at 2015-11-23 01:32
数寄者さま、こんばんは。
掛物の読み方と意味のご指摘をありがとうございました。熊倉功夫先生の講義は受けたことがあります。
<名茶会30選のなかの、16-茶臼山住友茶会>は、また拝読しておりません。
さっそくに取り寄せで勉強いたします。
そしてブログに追記いたします。
ありがとうございました。

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