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入院は東京タワーの見えるお部屋に
2011年2月19日 土曜日 くもりがち

日の出 06時24分  : 日の入 17時26分
  月の出 18時41分  : 月の入 06時28分

 ほとんど寝る時間がなかった。
まったくバカだ、、、。
病院にもっていくMacBookプロが新しいOSのスノーレパードになっていなかったので、
数日前に購入しておいたのだがまだアップデートをしていなかったので始めたら、
それがとても時間がかかってしまったのだ、、、、。
ま、、、入院案内にある十個ほどのMustと、タオルとパジャマと下着などをいれた。
本は紙袋にいれたままでそのままもっていくことにした。
昨日神戸から届いた桜さんのコンサートのご案内が入った真っ赤な封筒も中にいれた。

 朝ご飯をしっかり食べて、パパ達の写真にいってきます、、、、。
10時入院。
初めての病棟はやはり緊張。
いろいろ説明を受けて、11時には執刀医のS先生の面接。
信頼して安心しておまかせしよう、、と思っているから、ネットお宅の私なのに、
今回はほとんど何も検索していないし、セカンドオピニオンも求めていなかった。

 一昨日の最後のMRIのデータが目の前の画面に示された。
すごい! こんなふうに自分の胸一面の中身や血管がみえるのだ。
いままで聞きたくても質問することをためらっていたいくつかの疑問点を少しだけ口にした。
先生は、丁寧に机の上の紙に図をかいて、言葉を書いて説明してくださった。
一般的なデータ、日本でのこと、そしてアメリカでの事とその違い、、、、などなど、
National Cancer Instituteの存在など、新時代の医療のお話しを沢山聞くことができた。
今まで読んでいた日本の記事は間違いの事も多いこともわかった。
こういうジャンルでも、メディアはかたよっているのかもしれない。

 どこかで、まるで人ごとのように冷静に聞くことができる自分と、数日前までの様子よりも、
かなり深刻な状態であることが察っせられて、紅潮している自分があった。
体の中でがん細胞ができて、検査で発見されるまで(1cm程の大きさになるまで)、
何年もの時間が経っていて、検査でがんが発見された時の、何年も前から厳密には「がん患者」。
それは21年後だというから、私は四十代半ばで、すでにガンの芽がめぶいていたことになる。

「がん」と診断された時点では、がん細胞が体内でできてから何年も経過しているので、
慌てて治療を開始する必要はないのだ、、、。
そうわかって今回の、先月28日からすでに三週間がたっていることに合点がいった。
検査を重ねて、今回は手術ということになったが、あと一年ほど後だったら、ステージはさらにあがっていて、
手術の前に別の処置をしなければいけなかったのかもしれない、、、、。

 いずれにしても、このあと癌とのながいおつきあいが始まるわけで、
信頼のおける病院と先生におまかせするのが一番必要なことなのだろう。

ある五つのデータがそろうと、十年後のこと、生存率、再発率も割り出せるそうで、、、、、恐ろしいことだが、
すごい時代になったものだ。
しかし、いくつになっても、まだ今ワタシハシナナイと思っているから、生きていけるのではないだろか、、。
たとえ確率上のことといい、大体の死への旅路の予定がわかってしまったら、
どんなに恐ろしいことだろうか、、、、。

 簡単な昼食のあと、麻酔医さんと看護婦さんからいろいろと説明をうける。
手術は月曜日の午後一時半からで、その担当の看護婦さんも説明にいらしてくださった。
手術の時に身につけるストッキングの試着もすんだ。
三十年前の手術とはおそらく格段の進歩があって、
後遺症を少なくするいろいろな処置が考えられているのだろう。
 
 三十年前の手術の時には、
“お強いですね、、、”と先生から言われて、母は長い手術によく耐えて強いですね、、、と解釈したのが、
実は先生は“お酒がお強いですね、、、”と言う意味で、最初は麻酔がなかなか効かなかったのだという。
そのことも麻酔医先生にお話しして、、、、なごんだ雰囲気になった。

 窓からは東京タワーが手に取るようにみえる。
遠くの高速道路を走る車がオモチャの世界のようだ。

個室なので、あまり制限はないようで、自由にしている。
今日入院ということは、この環境に慣れることの必要性と、それは術後の経過にも及んでくるのだろう、、、
と理解した。
 
 夕方にKさんが、お菓子をナースセンターに持ってきてくださった。
このあたりは男性では気がつかないことで、彼女も去年のパートナーの入院生活で学んだことだろう。
ありがとう!
(でも禁止されていますからと、受け取ってもらえなかった)

入院は東京タワーの見えるお部屋に_a0031363_003643.jpg  (at noon)


入院は東京タワーの見えるお部屋に_a0031363_011441.jpg

(やがて、またいつものオレンジ色の光に変わって、12時ジャスト、、、たったいま光が消えた)
by pretty-bacchus | 2011-02-19 23:59 | ★Hospital 病院、病い、お洒落 | Trackback | Comments(5)
Commented by funny-girly at 2011-02-20 01:28
敬子さん、不安でしょうが、医学を信じてリラックスして下さい。ここまで来たら、まな板の上の鯉です(ちょっとばかり大きい鯉だけど)。
食材は、シェフに任せるしかありません。最高の出来を信じています。
Commented by funny-girly at 2011-02-20 01:33
言い忘れました。3月20日にニューヨークのボーイフレンドが来日します。彼は日本を捨ててアメリカに渡って、オッパイばかり毎日切っている乳癌の専門医です。術後の自らのアフターケア等相談に乗ってくれると思います。ご紹介しますね。
Commented by おばさま@北海道・大沼公園 at 2011-02-20 08:32 x
昔と違って医療関係も訴訟時代なので、手術前に相当シリアスなことまで説明します。
後でそんなことは聞いていなかったと本人および家族と訴訟沙汰になるためらしいです。
弟も執刀医からの説明で相当不安になったと言います。
麻酔から覚めて本人は自分が生きながらえたと実感したそうです。
お医者様を信じてお任せする、後は本人の強い意志でしょう。
手術の無事成功を北海道から祈っております。
Commented by pretty-bacchus at 2011-02-20 18:21
funny-girlyさま、まな板の上の鯉の心境をしみじみを味わっています。
アメリカの先生はいつもお話しになってらした方ですね、、、機会がありましたらお会いしたいです。

Commented by pretty-bacchus at 2011-02-20 18:23
おばさま@北海道・大沼公園 さま、ありがとうございました。医療現場の日進月歩に驚いています。
<後は本人の強い意志でしょう>ゆうこさんらしいエールに元気づけられています。

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