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土練って秋の窯入れ待ちきれず
2010年8月23日 (月曜日) 晴れ

 朝の海はせつなくも美しい!
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 昨日22日はFさんが茅ヶ崎からでてらして、お昼を友人のお店で一緒して、久しぶりに旧交を深めた。
現地の漁師さんが穫ったばかりのアワビとトコブシを水槽にいれたばかりで、やっぱり土地っ子のSさんは、
皆にすかれているのだな、、、って、嬉しいな。

 今日はSさんの奥様とお嬢様と、お昼を一緒して、そのあと陶芸教室で土を練ることになっていた。
12時ジャストに車ででかけた。
山道を30分ほど走って着いたのは、栗の木や桜の木が茂っている雑木林の小道をひょいっと入ったところにある日本建築。
右側が壷中庵という旬菜料理屋さんで、ここで和食のコースをいただいた。美味!
この山の中で! と、その美味しさに驚嘆して、うかがったら、
湯河原の名の知れた旅館で長い間板長さんをしてらした方だという。

 玄関を出て、めだかの鉢とギボシの鉢のお隣が岩戸窯。
岩戸窯は薪で穴窯で焼いている陶芸家の小坂一韶さんのギャラリーと陶芸教室。
こぎれいなこぶりなギャラリーには、土物の焼き物が展示されていて、見事な源平葛が生けられていた。
まさにこの場所! にくいなあ、、、、
ゲンペイカズラは、 白い苞と赤い花びらを,源氏の白旗,平家の赤旗にたとえた名前で、この伊豆山の歴史の如くだ。
近くの伊豆山神社は、Sさんとさと子サンが式を挙げた神社なのだが、
ここは伊豆の蛭ケ小島に配流されていた源頼朝と北条政子が恋を語らった境内であり、
二人はむすばれ、伊豆山の神様の力により鎌倉に幕府を開かれたとのいわれがあるのだ。

 このにくいしつらえの奥には、先生の工房がある。
工房には大きな薪ストーブがあって、冬は暖をとるのだろう。
ガラス戸を開けると広いベランダに出られ、木製のベランダにも作品が並んでいる。
この先には雑木林が傾斜地になって続いていて、ヤマザクラの向こうに相模湾が見わたせる。
べランダにはいくつも野鳥の餌台が置かれて、ヤマガラが入ったり出たりしている。
先生はヒマワリの種を餌箱にいれていた。
 
二匹のワンちゃんがいつも先生の近くについていて、先生はお優しいんだな!
帰る頃には犬好きのあやちゃんにもすっかりなついてしまった。

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土練って秋の窯入れ待ちきれず _a0031363_16325274.jpg  (右のガラス戸が食事処)

土練って秋の窯入れ待ちきれず _a0031363_1634278.jpg  (山ウドの花のかたわらにはモダンな鳥の餌台が、、、)


 今日は信楽の土を選んで、三人それぞれの出来上がりのスケッチを描いて、先生が土を用意してくださった。
あやちゃんは、お家のワンちゃん用のミルク入れ、さとこさんはお魚を盛りつける大きめの平鉢、私は花入れにした。
小さなろくろの上に土を置き、スタート。
陶芸は何度かしたことがあるが、初心者とかわらない。
さとこさんは結婚前に陶芸教室に通っていたそうで、きく練りもすいすい、、、。

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12歳のあやちゃんは、そんなママがうらやましいやら得意やら、、、、
“ママってすごいな〜〜”を繰り返している。
途中で休憩してベランダに出てお茶をいただいたり談笑したり、、、。
先生はこの地で十数年まえから焼き物をしてらっしゃり、また俳句の会<岩戸句会>をしてらっしゃり、
東京からもお仲間がいらっしゃることなどもうかがった。
このあたりに住むのもいいわね、、、と話していたら、なんとイノシシもでるし、マムシもでるんですって、、

 2時から始めたお教室は夕方まで続き、Sさんも様子を見に車で上がってきてくれて、ハイポーズ!
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 今日の練り上げた作品!は10月には窯に入るそうで、待ち遠しいな、、、

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 帰りまぎわに、出口の右側の窯をみせていただいた。
穴窯は陶芸家小坂一韶さんが自ら作成した全長10m程のレンガの窯で、薪で焚く古来の形式をそのまま取り入れて、
一年に数回火入れをして三日三晩焼くのだそうだ。
1200度になると、壺などに降りかかった薪の松の灰が溶け始めて作品の趣を与えるのだ。

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〜〜〜
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工房に掛かるのは、『孟子』の『四端(したん)』の書で、先生の師の筆になると、嬉しそうにせつめいしてくだっさった。
道徳規範を理解できる理性を有する人間と動物との違いとして徳性の原点である
『惻隠(仁)・羞悪(義)・辞譲(礼)・是非(智)』の四端。
それを無視する人間は、人間としての自分の価値を捨て去ろうとしているに等しいと説いた訓示。



〜〜〜〜〜〜

10月にまた来ましょうね,,と再会を約してお別れした。
涼を求めての夏休みの最後の日に、焼き物を楽しむ事が出来て幸せな一日だった。
今夜は満月で、一階ダイニングで月を愛でながら、大森さんの心もこもったお料理をいただいた。
皆さんありがとうございました。

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by pretty-bacchus | 2010-08-29 23:59 | ♢Journey inJapan国内旅の記録 | Trackback | Comments(0)
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