雨上がり立ち待ち月は天高く
2004.09.30

 中秋の名月が近づくと、おばあちゃんは縁側の掃除を丹念にしなおす。
昔々の黒くなった文机をお蔵から出し、その上に白磁のまあるい花入れが置かれる。「さ〜〜あとはお団子とお花だね〜〜」とお団子つくりが始まる。
五穀豊穣の果物と野菜は、田舎の小作人のあちこちから届く。野の花は母のお弟子さんが届けてくれる。
 遠い昔の記憶である。

 当時のラジオの天気予報は「北北西の風力三、、、」などの報道で、
学校で覚えた天気図に書き込んでいき天気を予想するのが私の役目。神様どうをお月様を下さ〜〜〜い。
ウサギの姿を見せてくださ〜〜い、、と祈りながら、白い天気図は少しずつうめられていく、、、。

 父は、お酒をのみながら「十五夜がだめなら明日がある、十六夜だ。その次はなんというか知っているか?
 ケイコ、、、」「立ち待ち月〜、、、」
 それも雨なら居待月。「もうその辺で床に入るぞ!」と父。臥待ち月だ。
な〜るほど!五日目には深夜まで更け待ち月。平安のころには人々は辛抱強く月と遊んだのだという。
昔の人はなんと風流であったことか、、、。
 この月の趣を外国人に説明するのは難しい。しとしと、パラパラなどの雨のふりようを話すのと
同じくらいにむずかしい。

 かすかにおぼろ月をみせてくれた中秋から3日目の今日は、きれいな立ち待ち月を愉しむことが出来た。
都会の夜の一時も、今は亡き祖母と父の昔の思い出とともに暮れてゆく。

 明日からは神無月。月なき月とはいかな月?
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見付け橋からの立ち待ち月


by pretty-bacchus | 2004-09-30 23:27 | ◐Nature空,海,夕陽,緑花,鳥蝶 | Trackback | Comments(0)
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